日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 モノステアリン酸プロピレングリコール
英文名 Propylene Glycol Monostearate

CAS 1323-39-3 (link to ChemIDplus)
別名 ステアリン酸プロピレングリコール,プロピレングリコールモノステアレート,Octadecanoic acid, monoester with 1,2-propanediol,1,2-Propanediol monostearate

収載公定書  薬添規(JPE2018)  食添(7)(プロピレングリコール脂肪酸エステル) 外原規(2006)  USP/NF(28/23)
用途 基剤 ,乳化剤


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
ラット 雄 経口 25.8 g/kg Anonymous, 19831)

ウサギの急性経皮毒性試験において、精製されていないモノステアリン酸プロピレングリコールは、有意な経皮毒性を示さなかった。1) (Anonymous, 1983)


反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラット
モノステアリン酸プロピレングリコール0.425 %, 0.85 %, 1.7 %を含む飼料を30匹10群のラットに6箇月間投与した結果、肉眼的又は組織病理学的変化が認められなかった。1) (Anonymous, 1983), 3) (Andersen, 1999)

※ 米国のEnvironmental Protection Agency(EPA)のモノステアリン酸プロピレングリコールの毒性情報を引用(page40-42)

プロピレングリコール脂肪酸エステル60 %を含む飼料でラットを40日間飼育しても、なんら異常状態を示さず、腎臓の組織学的検査でも障害を認めなかった。4) (Lekovsky et al., 1935)

※食品添加物公定書第7版の「プロピレングリコール脂肪酸エステル」の毒性情報を引用

モノ、ジグリセリドと共にプロピレングリコールステアリン酸エステル0 %, 1.5 %, 3.36 %, 7.52 %を含む飼料を48群のラットに13週間投与した結果、成長、関連する臓器重量(たとえば副腎、生殖腺、心臓、腎臓、肝臓、脾臓、脳)、組織病理学検査、血糖値、BUN値、血清コレステロール値、GPT値、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、白血球数、赤血球数、血液凝固時間、尿検査において(対照群と比較して)何ら差異を認めなかった。ラットにおけるモノステアリン酸プロピレングリコールの反復経口暴露試験では、全身毒性の徴候は示されなかった。1) (Anonymous, 1983), 5) (WHO Fd, 1974)
※食品添加物公定書第7版及び米国EPAの毒性情報を引用

イヌ
17 %モノステアリン酸プロピレングリコール含有混合物を5 %, 10 %濃度で含んだ飼料を4群のイヌに6箇月間投与した結果、毒性の徴候はなにも示されなかった。1) (Anonymous, 1983), 3) (Andersen FA, 1999)
※米国EPAの毒性情報を引用


遺伝毒性
試験 試験系 濃度 結果 文献
復帰変異 サルモネラ菌TA1535
TA1537, TA1538
代謝活性化(+),(-)
- 陰性 Litton Bionetics I, 19756)
復帰変異 saccharomyces cerevisiae D4菌株 - 陰性 Litton Bionetics I, 19756)

※米国EPAの毒性情報を引用

ニワトリの胚細胞に10 mg/eggのプロピレングリコールステアリン酸エステルを添加した実験では胚細胞に影響は認められなかった。7) (Verrett MJ et al., 1980)
※食品添加物公定書第7版の毒性情報を引用


がん原性
該当文献なし
生殖発生毒性 (link to DART)
ラットにおけるモノステアリン酸プロピレングリコールの反復経口投与が、生殖器官に有害な影響を及ぼすという事実は報告されていない。1) (Anonymous, 1983)
※米国EPAの毒性情報を引用


局所刺激性
ウサギの急性皮膚刺激試験及び急性眼刺激試験において、精製されていないモノステアリン酸プロピレングリコールは、有意な皮膚刺激性又は眼刺激性を示さなかった。1) (Anonymous, 1983)


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見
臨床試験において、モノステアリン酸プロピレングリコールは、55 %濃度まで有意な刺激性は認められず、モノステアリン酸プロピレングリコールを2.5 %含む製剤で皮膚感作性は認められなかった。1) (Anonymous, 1983)

ヒトにおいて、PEG-25ステアリン酸プロピレングリコールは、臨床のパッチテストでは陰性であった。信頼性のあるデータに基づいて、化粧品(10 %以下の濃度)で、PEG-25ステアリン酸プロピレングリコールは、安全に使用されていると結論づけられた。2) (Johnson W Jr, 2001)


引用文献
1) Anonymous. Final report on the safety assessment of propylene glycol stearate and propylene glycol stearate self-emulsifying. J Am Coll Toxicol. 1983; 2,5: 101-24(link to the Journal)

2) Andersen FA. Final report on the safety assessment of propylene glycol (PG) dicaprylate, PG dicaprylate/dcaprate, PG dicocoate, PG dipelargonate, PG isostearate, PG laurate, PG myristate, PG oleate, PG oleate SE, PG dioleate, PG dicaprate, PG diisostearate and PG dilaurate. Int J Toxicol. 1999; 18 Suppl 2: 35-52

3) Lekovsky S., et al. Biochem. 1935; 108: 431

4) WHO Fd. Add. Ser. 1974; 5: 276

5) Litton Bionetics I. Mutagenic evaluation of compound FDA 73-57, propylene glycol monostearate. Ntis Pb Report. 1975; : 14

6) Verrett MJ, Scott WF, Reynaldo EF, Alterman EK, Thomas CA. Toxicity and teratogenicity of food additive chemicals in the developing chicken embryo. Toxicol Appl Pharmacol. 1980; 56: 265-73

*3)、4)、6)は食品添加物公定書第7版の「プロピレングリコール脂肪酸エステル」の引用文献




   



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