日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ヨウ化ナトリウム
英文名 Sodium Iodide

CAS 7681-82-5  (link to ChemIDplus),  (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 

収載公定書  局方(JP17), USP/NF(29/24)  EP(5.3)
用途 安定(化)剤,可溶(化)剤


単回投与毒性  (link to ChemIDplus)
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
Swissマウス 経口 1650 mg/kg Webster et al., 1957 1)
マウス 経口 1000 mg/kg RTECS, 1989
Swissマウス 静脈内 >1500 mg/kg Webster et al., 1957 1)
Swissマウス 腹腔内 1690 mg/kg Webster et al., 1957 1)
F マウス 腹腔内 0.43 g/kg Bock et al., 1964 2)
N マウス 腹腔内 0.70 g/kg Bock et al., 1964 2)
C57/St マウス 腹腔内 0.78 g/kg Bock et al., 1964 2)
L マウス 腹腔内 0.78 g/kg Bock et al., 1964 2)
CBA マウス 腹腔内 0.83 g/kg Bock et al., 1964 2)
PBR マウス 腹腔内 0.84 g/kg Bock et al., 1964 2)
C3H マウス 腹腔内 0.88 g/kg Bock et al., 1964 2)
Poly2 マウス 腹腔内 0.91 g/kg Bock et al., 1964 2)
A マウス 腹腔内 0.92 g/kg Bock et al., 1964 2)
AK マウス 腹腔内 1.18 g/kg Bock et al., 1964 2)
ICR Swiss マウス 腹腔内 1.50 g/kg Bock et al., 1964 2)
DBA/2 マウス 腹腔内 1.53 g/kg Bock et al., 1964 2)
CFW マウス 腹腔内 2.01 g/kg Bock et al., 1964 2)
DBA/1 マウス 腹腔内 2.03 g/kg Bock et al., 1964 2)
ラット 経口 4340 mg/kg RTECS, 1972
ラット 静脈内 1060 mg/kg RTECS, 1972
ウサギ 経口 1.5-2.0 g/kg RTECS, 1972



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラット
Walter Reed系ラット1群9例にヨウ化ナトリウムを0.5 %,4%飼料に混入して28日間投与した結果,顎下腺の唾液腺炎が認められた。炎症性から異形性への過程は遠位小導管に選択的にみられた。4) (Woodward et al., 1963)

ラット雌雄にヨウ素あるいはヨウ化物(ヨウ化ナトリウムとして)を100,10,3,1,0 mg/Lの濃度で飲水に混入して100日間経口投与した結果,体重,脳重量,心重量,雄の精巣重量に影響はみられなかった。肝臓,腎臓重量には変化がみられたが,投与との関連は明らかではなかった。雄の甲状腺重量はヨウ化物の飲水濃度に応じて有意に増加したが,ヨウ素では認められなかった。対照的に,最高用量群雌の甲状腺重量は減少した。ヘマトクリット,ヘモグロビン,血中尿素窒素(BUN)は相対的に一定で,投与による変動は認められなかった。AST,ALT,コレステロール,トリグリセリド値は有意な差はみられなかった。投与10日後の投与に関連した変化として,血漿T4濃度の増加がヨウ化ナトリウムを投与した雌雄で認められた。T4/T3比の有意な増加はヨウ化物投与の雌雄で観察された。この変化は100日間の投与期間中認められたが,投与10日目にはみられなかった。100日間ヨウ化ナトリウムを投与した雌で,T4/T3比の有意な増加はみられたが,増加の程度はヨウ化物を投与した例と差はなかった。本試験より,ヨウ化物とヨウ素は実質的に異なる機序ではあるが,甲状腺ホルモンへの影響を与えることが示唆された。5) (Shere et al, 1991)


遺伝毒性
該当文献なし


がん原性
該当文献なし


生殖発生毒性 (link to DART)
ラット,ハムスター,ウサギ,ブタに過量のヨウ化ナトリウム,ヨウ化カリウムを餌に混入して影響を調べた。雌は無処置の雄と交配させ,混餌投与は妊娠後期に行い, 出生仔には制限を加えなかった。妊娠期間,分娩時間,授乳,出生仔の生存率を観察した。ウサギにヨードを飼料に250〜1000 ppm混入して2〜5日間与えた結果,出生仔の死亡率が増加した。ハムスターでは,2500 ppm与えても軽度な摂餌量の減少,離乳時出生仔体重の減少以外変化は認められなかった。妊娠期間はラット,ハムスター共に変化はみられなかったが,ラットでは分娩時間の遅延が認められた。ヨードの混餌を停止してラット雌,ウサギ雌を再度交配した結果,出生仔には変化が認められなかった。ブタはラットとウサギで毒性の認められた用量で変化はみられなかった。8) (Arrington et al., 1965 6)


局所刺激性
ウサギにヨウ化ナトリウム500mgをDraize法に従って24時間皮膚に貼付して刺激性を調べた結果,中等度な(moderate)刺激性が認められた。(RTECS, 1972)

ウサギにヨウ化ナトリウム100mgをDraize法に従って眼粘膜刺激性を調べた結果,中等度な(moderate)刺激性が認められた。(RTECS, 1972)


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見 (link to HSDB)


引用文献
1) Webster SH, Rice ME, Highman B, von Oettingen WF, The toxicology of potassium and sodium iodates: Acute toxicity in mice, J. Pharmacol. Exp. Ther. 1957; 120: 171-178

2) Bock FG, Wright JJ, Variations of acute iodide toxicity among inbred strains of mice, Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 1964; 115: 551-553

3) Greenbaum FR, Raiziss GW, The elimination of iodine after oral or intravenous administration of various iodine compounds in single massive doses, J. Pharmacol. Exp. Ther., 1927; 30: 407-427

4) Woodward SD, Berard CW, Sodium iodide-induced submaxillary sialadenitis in the rat, Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 1963; 114: 341-344

5) Sherer TT, Thrall KD, Bull RJ, Comparison of toxicity induced by iodine and iodine in male and female rats, J. Toxicol. Envron. Health, 1991; 32: 89-101

6) Arrington LR, Taylor Jr. RN, Ammerman CB, Shirley RL, Effects of excess dietary iodine upon rabbits, hamsters, rats and swine, J. Nutrition, 1995; 87: 394-398




   



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