日本医薬品添加剤協会 |
和名 デンプンリン酸エステルナトリウム 英文名 Sodium Starch Phosphate CAS 53241-15-9 (link to ChemIDplus) 別名 収載公定書 食添(7) 用途 基剤 ■JECFAの評価 (1973年,第17回)(Distarch Phosphate) ヒトのADI(1日摂取許容量)制限しない 1) ■単回投与毒性
急性毒性の知見は少数の動物を用いた結果であるが、投与した用量では死亡例は見られなかった。また、投与されたモルモット、ウサギ及びネコの肝臓及び腎臓の病理学的所見に異常は見られなかった。Hodge, 1954 1) ■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット(雌雄10匹/群)をリン酸化リン酸デンプン(トリメタリン酸)をそれぞれ10%及び35%混ぜた飼料で60日間飼育したところ、雌ラットに体重増加抑制が飼育期間中定常的に見られた。また、この間に4匹の投与ラット及び2匹の対照群ラットが死亡したが、これらは投与物質によるものではないとみなされた。他のすべての動物の行動に異常は見られなかった。血液学的検査及び尿検査においても異常は見られなかった。投与群の雄ラットで肝重量が、また、投与群の雌雄のラットで腎重量が対照群に比べて低かったが、2つの臓器の肉眼的所見及び病理学的所見には差が認められなかった。Kohn et al., 1964 1) 雌ラット(5匹/群)にシリコーン樹脂(液体:350 cSt)をそれぞれ0、1.0、2.0、5.0、10.0及び20.0 g/kg体重の用量で28日間にわたり、20回投与したところ、ラットの体重、血液像、 臓器重量及び病理学的所見に異常は見られなかった。Rowe et al., 19484) ラット(雌雄25匹/群)をトリメタリン酸加工デンプン及び非加工デンプンをそれぞれ0.2、1.0、及び5.0%混ぜた飼料で90日間飼育したところ、11匹の対照群ラットと3匹の投与群ラットが間欠発生性の疾病で死亡したが、残りのラットの被検物質による肉眼的及び病理学的所見に異常は見られなかった。また、臓器重量及び血液学的検査(45及び90日目)でも、両群に差は見られなかった。尿検査においても異常は見られなかった。Kohn et al., 19641) ジメチルポリシロキサン(DC151)をそれぞれ0.3%及び1.0%混餌した飼料でラット(15匹/群、対照群は10匹)を飼育したところ、摂餌量、血液像及び生存率は対象群と差がみられなかった。 しかし、最大投与群に軽い体重抑制の傾向が認められた。Pollard, 19605) ラット(雌雄各10匹/群)を2種類のジデンプンリン酸(0,085%エステル化及び0,128%エステル化したリン酸)をそれぞれ0、5、15及び45%混ぜた飼料で90日間飼育したところ、ラットの外見、行動、生存率、摂餌量、血液像、血清化学的指標及び尿検査にいずれの被検物質によると見られる異常は認められなかった。また、下痢や糞便量の増加も見られなかった。さらに、肉眼的及び病理学的所見においても異常は見られなかった。Till et al., 1970 1) ミニブタ(ピットマン−ムーア種8匹/群)を3日目に離乳し、5.4%の非加工デンプン及び5.6%のジデンプンリン酸を混ぜた飼料で25日間飼育したところ、2つの群の成長には差が見られなかった。試験終了後、血液(ヘモグロビン)及び血清(コレステロール、トリグリセリド、カルシウム、リン酸、アルカリフォスファターゼ、尿窒素、総タンパク、アルブミン及びグロブリン)生化学検査を行ったところ、2群間に差は見られなかった。相対的臓器重量、屠体の組成(水、脂肪、タンパク、灰分、Ca、PO4、Na及びMg)及び肝臓の組成(水、脂肪、タンパク及び灰分)にも差は見られなかった。Anderson et al., 1973 1) 以下については該当文献なし ■遺伝毒性 ■がん原性 ■生殖発生毒性 ■局所刺激性 ■その他の毒性 ■ヒトにおける知見 ■この資料の一部は食品・医薬品共用添加物の安全性研究の成果を引用した. ■引用文献 1) WHO Food Additive Series No.5 Distarch Phosphate (link to WHO DB) 2) WHO Food Additive Series No.1 Distarch Phosphate (link to WHO DB) |メニューへ| |
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