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和名 スクワレン 英文名 Squalene CAS 111-02-4 (link to ChemIDplus) 収載公定書 外原規(2006) 用途 基剤,軟化剤,乳化剤,溶剤,溶解剤 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット 1群雌雄各10匹のWistar系ラットに合成スクワレン(Syntesqual)1g/kg/dayを15週間経口投与した。投与期間中、一般状態、摂餌量、摂水量、体重を記録し、半数のラットについては病理学的データを取得した。投与期間中、あるいは投与終了後の検査に於いて、Syntesqual投与で毒性変化は観察されなかった(Rialdi & steinberg, 1981)。4) (Rialdi & steinberg, 1981) 1群雌雄各5匹のWistar系ラットの背部皮膚20cm2を除毛後、Syntesqual 約500mgを1回、6ヵ月間経皮投与し、組織学的検査、主要な胸部、腹部器官重量、血液学的パラメータ、他の生化学的パラメータ、肉眼的検査及び主要器官の病理組織学的検査を実施した結果、毒性変化は観察されなかった。4) (Rialdi & steinberg, 1981) ■遺伝毒性 該当文献なし ■がん原性 マウス 未希釈のスクワレンを16C57B1系マウスの背中に週6回、合計25回(全投与量1.3g/マウス)塗布した。8匹は100日生存したが、そのうち5匹は272〜849日に胸腺を中心としたリンパ腫形成が確認された。また、腫瘍の転移、リンパ浸潤が末梢リンパ腺や肺、脾臓、肝臓、腎臓に認められたが、この報告については確認作業が必要と考えられている。(1985)1) (1982)2) 精製直後のスクワレンと37℃、4週間、密栓せずに保管したスクワレンについて、C57B1系マウスとC57BR系マウスの背部に未希釈のまま1週間に3回、合計14週間塗布したが、いずれも皮膚腫瘍は形成されなかった。(1985)1) (1982)2) 合成スクワレン(Syntesqual)を1群5匹の雌雄4〜6週齢のSwiss whiteマウス66匹に26週間、クロトン油とともに経皮投与した。剖検及び組織学的検査の結果、皮膚腫瘍の発現はなく、肺腺腫の発現も自然発生率と差異が無かったことから、発癌性はないと結論された。4) (Rialdi & steinberg, 1981) ■生殖発生毒性 (link to DART) ラット 200〜300gの雌性Wistar系ラット10匹に、妊娠3日〜19日目まで合成スクワレン(Syntesqual)を2g/kg経口投与した。妊娠ラットに死亡例はなく、毒性変化も見られなかったまた、胎児に影響は見られなかったことから、ラットに対して催奇形性、胚・胎児毒性は無いと考えられた。4) (Rialdi & steinberg, 1981) ■局所刺激性 モルモット 合成スクワレン(Syntesqual)の皮膚連続刺激性について、6匹の雄性モルモットを用いて10日間閉塞貼付で実施したところ、いずれも皮膚反応を示さなかった。4) (Rialdi & steinberg, 1981) ウサギ 皮膚一次刺激性について、ドレーズ法に従い、未希釈のスクワレン0.5mLをウサギ3匹の健常及び損傷皮膚に24時間適用したところ、無刺激であった。(1985)1) (1982)2) 眼刺激性について、ドレーズ法に従い、ウサギを用いて未希釈のスクワレン0.1mLにより試験を行った。この試験では洗浄を行わなかったが、全く刺激性を示さなかった。(1985)1) (1982)2) 合成スクワレン(Syntesqual)の眼刺激性について、6匹のウサギを用いて試験を行った。Syntesqual 0.1mLをそれぞれのウサギの右眼の結膜嚢下に投与し、左眼は未処理とした。2匹に充血が発現したが速やかに消失したことから、Syntesqualは眼刺激性を有しないと考えられた。4) (Rialdi & steinberg, 1981) 合成スクワレン(Syntesqual)を6匹の白色ウサギの健常及び損傷皮膚に0.5mL適用し、皮膚一次刺激性を検討した4時間の閉塞貼付後、4時間、24時間、48時間で皮膚反応を観察した結果、健常皮膚、損傷皮膚とも刺激性を示さなかった。4) (Rialdi & steinberg, 1981) ■その他の毒性 該当文献なし ■ヒトにおける知見 (link to HSDB) スクワレン純品とスクワレンを76%含む調製物(鮫肝油の非けん化物をベースとしたもの)のヒト貼付試験を不特定多数の被験者で実施した。ヒト健常皮膚に試料を72時間接触させた結果、皮膚や毛に顕著な影響はみられず、また色素沈着もおこらず、皮膚の角化作用にも影響はみられなかった。(1985)1) (1982)2) 少数の志願被験者の体のいろいろな部位にスクワレンを6週間毎日適用した。適用形態は自由、あるいは賦形化したものの両方を用いたところ、好ましくない影響の一つである脱毛はみられなかった。(1985)1) (1982)2) スクワレン50μgを29人の被験者に皮内注射したところ、紅斑、皮膚の硬結及び炎症は認められなかった。24時間及び48時間後、注射部位に異常は認められなかった。24時間目に生検し病理組織学的観察を実施した結果、中度だが主に血管周囲のリンパ性浸潤が認められた。この変化は、Polysorbate80を0.05%含む生理食塩水をコントロールとして皮内注射した場合よりも若干強い反応であった。(1985)1) (1982)2) 未希釈のスクワレン0.2mLを不特定の被験者に皮内注射したところ、一過性の炎症反応以外には特に影響は見られなかった。次に、未希釈のスクワレンを不特定数の被験者の正常皮膚及び疱疹形成皮膚に適用し、その後、水銀蒸気ランプを用い、紫外線を照射した。その結果、正常皮膚及び疱疹形成皮膚のいずれの色素沈着にも影響はなく、疱疹形成部位は正常に回復した。これらの試験結果より、スクワレンは色素沈着を刺激せず、治癒への阻害を示さないと考えられた。(1985)1) (1982)2) 46才の韓国人男性が、1年間スクワレンのカプセルを1日10錠ずつ経口摂取したところ、リポイド肺炎を発症した。5) (Asnis et al., 1993) ■引用文献 1) スクワランおよびスクワレンの最終安全報告. CTFA/CIR (1)香粧品原料の安全性再評価, 東京; フレグランスジャーナル社, 1985 pp.31-49. 2) Final report on the safety assessment of squalane and squarene. Journal of the 3) Yamaguchi T, Nakagawa M, Hidaka K, Yoshida T, Sasaki T, Akiyama S, Kuwano M. Potentiation by squalene of antitumor effect of 3-[(4-amino-2-methyl-5-pyrimidinyl) methyl]-1-(2-chloroethyl)-nitros ourea in a murine tumor system. Jpn. J. Cancer Res.(Gann), 1985. 76, 1021-1026. 4) Rialdi G, 5) Asnis DS, Saltzman HP, Melchert A. Shark oil pneumonia. An overlooked entity. Chest., 1993. 103(3): 976-977. |メニューへ| |
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