日本医薬品添加剤協会 |
和名 食用赤色2号 英文名 Food Red No. 2 CAS 915-67-3 (link to ChemIDplus) 別名 アマランス,2−ヒドロキシアゾナフタレン−3,4’,6−トリスルホン酸三ナトリウム 収載公定書 食添(JSFA-IX) 用途 着色剤 ■JECFAの評価(FAS 19, (1984)) (link to JECFA) 毒性作用を示さない用量 ラット:50 mg/kg体重(混餌)1) ヒトの1日摂取許容量(ADI)の推定値 0〜0.5 mg/kg体重1) 毒性影響を生じない量として、ラットで混餌投与時に50 mg/kg体重と評価し、ヒトの1日許容摂取量(ADI)を0 - 0.5 mg/kg体重と設定した2) (FDA, 1984)。 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)1)
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) マウス マウス 477日間反復投与毒性試験 マウス20匹に本色素15〜20 mgを1週間のうち5日間、最高477日間投与した。剖検をマウス18匹に対して行ったが、肝臓に病変は認められなかった2,3) (Cook et al., 1940)。 ラット ラット 3日間反復投与毒性試験 若齢ラット5匹から成る群に本色素を1日2回、3日間皮下投与した。4日目にラットを屠殺した。各注射時に、本色素250 mg/kg体重を水溶液として投与した。対照群と比較してエストロゲン活性(正常な子宮重量)は認められなかった。その他も異常はみられなかった2,3) (Graham & Allmark, 1959)。 ラット 10日間反復投与毒性試験 離乳ラットの群に、本色素を0、1200、3000、10000、20000 ppmで10日間混餌投与した。試験群は9匹/群、対照群は12匹/群とした。すべてのラットにビタミンA 30 μgを連日投与した。体重、摂餌量、肝重量および肝臓のビタミンA量に有意な変化は認められなかった4) (Truhaut and Ferrando, 1975)。 ラット 21日間反復投与毒性試験 雌雄各6匹から成る6群に基礎粗飼料、高度精製基礎飼料、2.5または5%本色素含有粗飼料、2.5または5%本色素含有精製基礎飼料を21日間投与した。5%本色素は体重増加または一般状態に対して事実上全く有害作用を示さなかった。しかし、本色素含有精製基礎飼料の場合、成長が止まり2週間以内にラットは死亡した。ビタミン補充はこの食餌の影響に予防効果を示さなかったが、10%セルロース、10%アルファルファ飼料またはクレソンパウダーは予防効果を示した3) (Ershoff & Thurston, 1974)。 ラット 90日間反復投与毒性試験 ラットに本色素を飼料に混ぜ、 20、40、80及び1,250mg/kg/dayで90日間投与したところ、 雄の1,250mg/kg投与群で腎臓にカルシウム沈着が観察された2) (Clode et al., 1987)。 ラット 365日間反復投与毒性試験 ラット11匹に1%溶液0.5 mLを週2回365日間皮下投与したところ、腫瘍は認められなかった。観察期間は879日間であり、総投与量は1匹あたり0.5 gであった3) (Anonymous, 1957)。 ラット 12ヶ月間反復投与毒性試験 交配していない雌雄ラットに本色素1.5または15 mg/kgを12ヶ月間強制経口投与した。雌では発情周期が抑制され、胎児死亡数の増加、授乳障害が認められた。雄では、精子生存期間が短くなり、死亡および抵抗の減少が認められた3)(Shtenberg & Gavrilenko, 1972)。 ラット 417日間反復投与毒性試験 ラット10匹に、本色素を含量0.2%で混餌投与した。各動物は平均0.1 g/kg体重/日を417日間摂取した。色素の総摂取量は1匹あたり11 gとなった。観察期間は、830日間であった。小腸がん1個が認められた3)(Anonymous, 1957)。 ラット 64週間反復投与毒性試験 雌雄各15匹から成る3群に対して、本色素を含量0.03、0.3、1.5%で64週間混餌投与した。ラットの死亡率は、対照群と同様であった。1.5%群では雌ラットの成長率に有意な低下が認められたが、雄ラットでは認められなかった。この結果は、摂餌量ではなく食餌効率への影響が原因であると考えられた。雌ラットに本色素を含量0.3%および1.5%で混餌投与したところ、肝重量が増加した。さらに高用量にすると、腎重量も増加した。摂餌量、病理組織・血液像への影響も、腫瘍発生率における有意差も認められなかった2,3) (Mannel et al., 1958)。 ラット 78週間反復投与毒性試験 ラットに本色素20 mg/日を78週間投与したところ、死亡率が68%となった。それに対して対照の死亡率は13%であった。肝臓のビタミンA含量低下および肝細胞の脂肪変性を伴う空胞状の形成異常が認められた3) (Galea et al., 1972)。 ラット 18ヶ月間反復投与毒性試験 雌雄各5匹のラットに、本色素を含量4%で最高18ヶ月間混餌投与した。腺胃(glandular stomach)および小腸の着色が肉眼で認められた。粒状の沈着物が胃、小腸、および一部の結腸に認められた。1ヶのリンパ肉腫がみられた。20ヶ月以上生存した対照50匹に腫瘍は発現しなかった3) (Willheim & Ivy, 1953)。 ラット 18ヶ月間反復投与毒性試験 ラットに本色素を含量0.12%(1200 ppm)で最高18ヶ月間混餌投与したところ、著しい成長抑制がみられ、死亡率が増加し、肝障害が認められた。数日以内にビタミンA値は約50%低下し、投与期間中徐々に低下を続けた。血清アルブミンおよび?-グロブリンの上昇が認められたが、血清あるいは肝のグルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)またはグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)の顕著な増加は認められなかった3) (Galea et al., 1962)。本色素を1200、3000、10000および20000 ppmで混餌投与した別の試験では、ラット肝における貯蔵ビタミンA量の低下は確認されなかった3) (Truhaut & Ferrando, 1975)。 ラット 99週間反復投与毒性試験 本色素をラット雌雄各18匹に94〜99週間皮下注射した。概して、2〜3%溶液1 mLを毎週693日にわたって注射した。腫瘍は認められなかった3) (Nelson & Hagan, 1953)。 ラット 2年半反復投与毒性試験 雌雄各50匹の離乳ラットから成る群に、本色素を0、0.003、0.03、0.3または3%(0、1.5、15、150、1500 mg/kg体重)で約2年半にわたって混餌投与した。本試験で使用したラットは、親動物に本色素を投与したF2a同腹児から無作為に選択した。試験期間中、一部の動物を不注意に誤ったケージに入れてしまったため、動物数が対照群と投与群とで変わってしまった。様々な良性および悪性腫瘍が認められたが、投与群と対照群間に明らかな差は認められなかった。しかし、病理学的データを生物統計学的解析に供したところ、1500 mg/kg体重の混餌投与を続けた雌ラットにおいて悪性腫瘍数の有意な増加が認められた。高用量群と対照群間において、良性および悪性の腫瘍総数に有意差は認められなかった。一般状態、生存、体重増加、血液検査、臨床化学検査、あるいは相対臓器重量に関して、本色素に関連する影響は認められなかった4) (Gordon and Taylor, 1975)。 ■遺伝毒性 (link to GENE-TOX) 復帰突然変異試験 本色素0.5 g/100 mLを含むEscherichia coliの培地中で、変異原性の有無について試験したところ、変異原性を認めなかった3) (Luck & Rickerl, 1960)。 復帰突然変異試験 本色素は、Salmonella typhimurium G-46およびTA-1530の2菌株による宿主経由試験において変異原性を示すことが明らかとなった。特に、本化合物を5日間にわたって反復投与したときに変異原性が認められた。In vitroでは本微生物に曝露しても突然変異を引き起こさなかったことから、明らかに、この変異原性は本化合物そのものではなく、何らかの代謝物質によって引き起こされている。同様の結果が酵母による体細胞組換え試験でも得られた3)(Legator, 1972、Newell & Maxwell, 1972a)。 優性致死試験 マウス優性致死試験 雄マウス12匹から成る群に対して、0、250、500 mg/kg体重の5%アマランス水溶液を腹腔内注射した。その後6週間にわたって、各雄を投与していない雌3匹と毎週交配させた。雌を生殖用ケージから取り出してから1週間後に屠殺し、妊娠徴候の有無を調べた。交配率および変異原性発生率から、優性致死は認められないことが明らかになった4)(Arnold et al., 1976)。 ラット優性致死試験 優性致死試験の結果として、本色素のラットに対する変異原性を示唆する一貫した反応は認められなかった。陽性対照であるTEMは、既知の変異原物質であるということから予想されるとおり、試験第2週〜第5週に変異原性を示した1) (Newell & Maxwell, 1972b)。 ■がん原性 (link to CCRIS) マウス マウス がん原性試験 C3HfおよびC57B1マウスを用いて、混餌投与試験を実施した。各系統のマウス100匹に本物質を1.0あるいは2.0%で混餌投与し、各系統のマウス200匹を対照とした。いずれの系統のマウスにも腫瘍は認められなかった3) (Anonymous, 1964a)。 マウス がん原性試験 マウス100匹から成る2群に対して、1群には本色素ペーストを与えず、もう1群には本色素ペースト0.01 g(=アマランス0.004 g)を連日強制経口投与した。9,10-dimethyl-2-benzanthraceneまたは3,4-benzopyreneのいずれか1滴を週1回肩甲骨間の皮膚に塗布した。試験群では乳頭腫が3.5週間早く発現し、発現動物数も多かった。試験群の方が悪性化する割合が高かった3) (Baigusheva, 1968)。 マウス 18ヶ月間がん原性試験 Swiss-Websterアルビノマウス雌雄各50匹に本色素の1%水懸濁液0.1 mLを18ヶ月間毎週投与した。雌雄各100匹を対照とした。皮膚に対する発がん性は認められなかった3)(Carson, 1963, 1966)。 マウス 2年間がん原性試験 C3Hf及びC57BL系マウスのそれぞれ100匹を1群として本色素の1%及び2%を混餌投与し、 対照群にはそれぞれ200匹の動物を用いて2年間の実験を行ったが、 両系統のマウスで本色素の催腫瘍効果は認められなかった2) (Hecht, 1957)。 ラット ラット がん原性試験 離乳ラット24匹の群に対して、本色素を含量0.5%、1.0%、2.0%、5.0%で混餌投与した。同様の群を対照とした。5.0%群では、わずかな成長阻害が認められた。肉眼および病理組織学的検査では、疑わしい乳腫瘍増加が認められた。2個の腫瘍が対照群で認められ、0.5%群では3個、1.0%群では3個、2.0%群では6個、5.0%群では4個認められた。この結果の再現性を確認するため、さらに別の2年間の混餌投与試験が行われ、Osborne-MendelおよびSprague-Dawleyラット(いずれの系統も雌雄各50匹)に対して0.0、1.0、2.0%の混餌投与が行われた。腫瘍形成への影響に統計学的有意差は認められなかった。雌雄各100匹を対照とした3) (Anonymous, 1964b)。 ラット 365日間がん原性試験 11匹のラットに1%液の0.5mlを週2回、365日間皮下注射し、 その後879日まで観察したが局所に腫瘍発生は認められなかった2) (Hecht, 1957)。 ラット 99週間がん原性試験 18匹のラットに本色素の2%又は3%液の1mlを週1回、 94〜99週皮下注射したが、 局所の腫瘍発生を認められなかった2) (Nelson et al., 1953)。 ラット 2年間がん原性試験 離乳したばかりのラット24匹を1群とする動物に本色素の0.5、1、2、5%飼料を2年間投与したところ、5%で軽度の成長抑制が見られ、また肉眼的並びに顕微鏡観察から乳腺腫瘍増加の疑いが持たれた2) (Hansen, 1957)。この所見を確かめるためにOsborne-Mende1及びSprague-Dawley系ラットに本色素の1%及び2%飼料を与え、対照群には両系統それぞれの100匹を用いて2年間の実験を行ったが、 本色素投与による腫瘍発生の有意の増加はなかった2) (Mannel et al., 1958)。 ラット 25ヶ月間がん原性試験 近交系ラット50匹から成る群に、本色素ペースト(アマランス40%)含有飼料を25ヶ月間投与した。ラット35匹から成る対照群を設けた。飼料の本色素含量は0.8〜1.6%であった。腹膜および腸の腫瘍が生存動物18匹に19ヶ月目から発現し始めた。25ヶ月までに、合計11個の腫瘍が確認された。対照群に腫瘍は認められなかった。病理組織学的検査ではすべての腫瘍が悪性であった3) (Baigusheva, 1968)。 ラット 33ヶ月間がん原性試験 近交系雄ラット50匹から成る2群に、本色素を含量0%または2%で33ヶ月間混餌投与した。33ヶ月までに全動物が死亡した。対照群に比して、体重のわずかな減少が認められたが、これは統計学的に有意ではなかった。確認された15個の腫瘍(生存動物48匹中13匹)には、リンパ肉腫3個、肉腫4個、腺線維腫1個、腸がん3個、肝臓がん1個、皮膚がん3個が含まれる。最初の腫瘍は6ヶ月後に生じ、その他の大半は21〜23ヶ月後に認められた。試験の全期間中、対照ラット50匹では腫瘍は全く認めなかった3)(Andrianova, 1970)。 イヌ イヌ 7年間がん原性試験 7年間の毒性試験を雌ビーグルに対して行った。5匹に本色素を2%で混餌投与し、3匹を対照とした。病理組織学的異常またはその他の異常は認められなかった3) (Anonymous, 1974b)。 ■生殖発生毒性 (link to DART) マウス マウス 催奇形性試験 妊娠したCD-1近交系マウスに本色素27、90、300あるいは1000 mg/kg体重を妊娠6日から10日間連日強制経口投与したところ、着床、母動物あるいは胎児の生存に明らかな影響は認められなかった。対照と比較したところ、骨格組織および軟組織における異常に差はみられなかった3) (Anonymous, 1972a)。 マウス 催奇形性試験 妊娠マウス8〜10匹の群に対して、妊娠0〜7日あるいは妊娠6〜18日のいずれかの期間に0、7.5、30あるいは100 mg/kg体重相当の本色素を1日1回強制経口投与した。妊娠18日に母動物を屠殺し、同腹児のパラメータ、胚吸収、催奇形性を調べた。胚吸収率、胎児死亡および胎児発生に関して重大な影響は認められなかった。本色素投与に関連する催奇形性はみられなかった3)(Larsson, 1974)。 ラット ラット 催奇形性試験 雄1匹および雌4匹の群に本色素1.5および15 mg/kg体重/日を混餌投与した。同じ動物数の対照群を2群設けた。試験開始後4〜5ヶ月、7〜8ヶ月、10〜12ヶ月の3期間に、各群で交配を行った。受胎能、妊娠期間、出生児および死産児数、4日間および1ヶ月間の生存数について調べた。児の異常を記録した。親動物と同じ食餌を投与した第1世代(F1)および第2世代(F2)も同様に観察した。この結果から、本色素は受胎能を低下させ、死産児数を増加させ、児の奇形を発生させ、児の生存を低下させると判断された2,3) (Shtenberg & Gavrilenko, 1970)。 ラット 生殖試験 Wistar系の雌ラット(P)に本色素を飲料水に入れて1.5及び15 mg/kg/dayの割合で12〜14月与え、 この間投与開始後4〜5ヶ月、7〜8ヶ月、10〜12ヶ月の3時期にそれぞれ3〜4匹の動物を交尾させて妊娠率、胎仔の死亡を観察し、 第1回目の妊娠によって出産したF1動物の発育を観察すると共にその離乳後から前記と同量の色素を投与してその後4〜5月及び7〜8月に交尾させてPの場合と同様な観察を行い、 F1の第1回目の妊娠から出産したF2については1ヶ月まで観察した。 この結果、1.5及び15 mg/kgのいずれにおいても妊娠率の低下、死産仔の増加が見られ、 F1動物の哺育率及び1ヶ月後における生存率は低下し、1.5 mg/kg 群では特にPの第3回目の妊娠に前記の変化は著明であって交尾させた3匹の動物1匹のみが妊娠し、この動物の胎仔10匹は全部死産で、そのうち顔面骨の構造異常及び短肢などの肢の発育不良を示すものが見られた。そしてまた、このような胎仔に及ぼす影響はPよりもF1で減弱しているため、本色素に対してラットは代を重ねるにつれて生理学的適応を生じるものであろうとしている。以上の結果から、F/Wが最大許容量として1.5 mg/kgの値を定めている本色素の食用に対して疑問を提供するものであるとされた2) (Shtenberg et al., 1970)。 ラット 催奇形性試験 妊娠ラット13〜15匹の群に、本色素0、7.5、15、30、100または200 mg/kg/日を、妊娠0〜19日にゾンデを用いて投与し、妊娠20日に屠殺した。着床への有害作用は認められなかった。胎児死亡率は用量に相関して上昇した。200 mg/kg/日で、胎児毒性作用が認められた。15 mg/kg/日以上では胚吸収が増加し、100および200 mg/kg/日では散発的に同腹児の全吸収も認められた。本色素に関連する催奇形性作用は認められなかった。胎児の性別に対しても明らかな影響はみられなかった2,3) (Collins et al., 1972)。 ラット 催奇形性試験 本色素27、90、300、1000 mg/kg体重を妊娠ラットに10日間(妊娠6〜15日)連日投与したが、着床、あるいは母動物または胎児の生存に対して明らかな影響は認められなかった。試験群の軟組織および骨格組織で見られた異常発生率は、対照群と有意な差はなかった3) (Anonymous, 1972)。 ラット 催奇形性試験 Wistarラットを用いて、妊娠0〜19日にわたり食用赤色2号を1日1回7.5、 15、30、100及び200 mg/kgを、強制あるいは混餌による経口投与を行っても、 生存胎仔数、胎仔体重及びその他の検査結果に何ら影響を与えなかった2) (Khera et al., 1974)。 ラット 催奇形性試験 混餌投与と比較して、強制経口投与による奇形学的所見への影響を明らかにするため、同じ試験方法および試験材料による多数の比較試験を実施した。試験は、Osborne-MendelおよびCharles RiverのCD-1ラットを対象として、3ヶ所の試験施設で統一した方法を用いて行われた。それぞれ妊娠ラット20匹から成る6対照群および4試験群を用いた。全試験動物に本色素を強制経口投与した。3試験群には、妊娠0〜19日、6〜15日、7〜9日のいずれかの期間に200 mg/kg/日を投与し、もう1試験群には、妊娠0〜20日に、200 mg/kgの摂取量に相当するように本色素0.2%を飲水投与した。 3対照群には妊娠0〜19日、6〜15日、7〜9日のいずれかの期間に溶液を強制経口投与し、第1対照群にはゾンデによって妊娠0〜19日に溶液を強制経口投与し、第2対照群には妊娠0〜19日に蒸留水を強制経口投与した。さらに投与や処置をまったく加えない第3対照群を設けた。Osborne-Mendel系またはCD-1系において、胎児毒性に試験群と対照群間で有意差は見られなかった。着床、生存胎児、1匹あたりの胚吸収率、雌雄胎児の体重については、全体として毒性学的意義のある所見は認められなかった。最初に行われた強制経口投与の所見は再現されなかった。また、その初期の試験では、胚吸収率が背景データと比べて異常に低かった3) (Anonymous, 1974a)。 ラット 催奇形性試験 妊娠ラット16〜22匹から成る8群に対して、妊娠6〜15日に0、15、50、150 mg/kg/日の本色素を、ゾンデを用いて与え、妊娠20日に帝王切開を実施した。試験動物群の着床、胎児死亡率、胎児体重、あるいは生殖行動に関して、対照群と比較したところ、被験物質に関連する有害作用は認められなかった。本色素による催奇形性は認められなかった3) (Keplinger et al., 1974)。 ラット 催奇形性試験 Charles Riverの妊娠ラット4匹から成る5群に対して妊娠6〜15日に本色素0、15、150、450、および1500 mg/kg体重を強制経口投与し、妊娠20日に屠殺した。母動物の体重増加、同腹児数、胎児の平均重量、胚吸収数に関して、異常な影響は認められなかった。本色素に起因する肉眼的異常は確認されなかった3) (Burnett et al., 1974)。 ラット 催奇形性試験 3つの製造業者から得た本色素をラットに強制経口投与するか、あるいは半合成飼料に混餌投与した。いずれの投与法でも妊娠1〜19日に0、15、30、100、200 mg/kg体重/日を投与した。黄体数、生存胎児、脱落膜腫、死亡胎児、胎児体重の出生前評価値からは、着床または胚生存に対する本色素に関連する有害作用は認められなかった3) (Khera et al., 1974)。 ラット 催奇形性/生殖試験 ラット雄10匹および雌20匹(F0)から成る5群に、0、1.5、15、45、または150 mgの本色素を2週間混餌投与し、2回交配して、F1世代を得た。F1世代は3回交配し、そのF2b同腹児を、F3(原稿はF2)世代を得るために使用した。F2世代の親動物は1回交配し、F3a世代を得た。親世代動物の発育または同腹児における発育、全3世代の離乳および奇形学的観察に関して有意な所見は認められなかった3) (Haley et al., 1972、Smith et al., 1974a and 1974b)。 ラット 生殖試験 3世代にわたる生殖および催奇形性試験では、Osborne-Mendelラットの群に0、30、300、3000、30000 ppmの色素を離乳後3ヶ月間与え、その後交配してF1、F2、F3世代を得た。生存、体重増加、受胎能、同腹児数、児の生存率、離乳行動、児の生存など、親動物または児のパラメータに関して、有意な影響は認められなかった。最高用量群のF1d世代雌、F2a×F2c世代雌雄において、離乳時の体重が有意に低値になったこと以外、本色素は、認められた何らかの有害作用に対して特に影響していないと考えられた。また、蓄積作用は認められなかった3)(Collins et al., 1975a)。 ラット 催奇形性試験 F0世代において0、30、300、3000、30000 ppmの本色素を投与したOsborne-MendelラットのF1aおよびF3b世代の児を催奇形性試験に用いた。F1a世代では、30000 ppm群で黄体数が減少したが、母動物1匹当たりの着床前消失に対照群との差はなかった。F1a児の胚吸収、胎児平均体重の減少は、用量と関連がなかった。F3b世代における着床および生存のパラメータは、対照群と同様であった。色素の用量に相関すると考えられる特異的な骨格組織異常または軟組織異常は認められなかった3) (Collins et al., 1975b)。 ラット 催奇形性試験 2つの代謝物質(ナフチオン酸ナトリウムおよびそのR-アミノ塩)および本色素の合成中間体に関する試験では、妊娠ラットにゾンデで15、30、100、200 mg/kg/日を妊娠0〜19日に投与した。着床への有害作用は認められなかったが、ナフチオン酸とR-塩の最高用量群で複数胚の吸収率が対照群の値に比して有意に高くなった。ナフチオン酸ナトリウム100 mg/kg投与により、胸骨分節異常を認める胎児の割合が有意に増加したが、同様の結果は、R-塩には認められなかった。本色素の合成中間体は30 mg/kgで胸骨分節異常数を増加させ(異常所見と考えられる)、さらに高用量では骨格発達に有害作用を示した3) (Collins et al., 1973)。 ラット催奇形性試験 本色素の催奇形性を評価するために、産官共同試験を開始した。試験には、米国食品医薬品局(FDA)、Industrial Bio-Test Laboratories(IBT)および国立毒性研究センター(National Center for Toxicological Research: NCTR)の3試験機関が参加した。 妊娠雌20〜30匹から成る群に対して、妊娠0〜19日、6〜15日、または7〜9日の期間に本色素200 mg/kg体重を強制経口投与した。もう1群には、妊娠0〜20日の期間に同用量の本色素を飲水投与した。適切な対照を設けた。FDAはOsborne-Mendel系ラットを使用したが、IBTはCharles River、NCTRは両系統のラットを使用した。IBTおよびNCTR試験のCharles River系では、妊娠0〜19日に母動物へ200 mg/kgを強制経口投与したところ、複数の胚吸収が認められる母動物数が有意に増加した。同様に、NCTR試験では、この系統において、母動物1匹当たりの胚吸収の割合も有意に増加した。Osborne-Mendel系では胚吸収数の有意な増加は認められなかった。本物質関連の骨格あるいは臓器への明らかな影響はみられなかった4) (Collins et al., 1976a, 1976b; Keplinger et al., 1976; Holsen et al., 1976a, 1976b)。 ラット 生殖試験 ラットに20、250、1250 mg/kgの用量で2世代試験を行ったが、腎のカルシウム沈着以外に特記すべき所見はなかった2) (Clode et al., 1987)。 ラット 催奇形性試験 ラット胎仔の肢芽細胞2) (Renault et al., 1989)、 ラット胎仔の脳の神経細胞2) (Khera et al., 1988)、 あるいはラット胎仔の初期全胚葉の培養2) (Cicurel et al., 1988)による催奇形性のスクリーニング試験において、催奇形性は陰性とされている。しかし、ヒト胎児口蓋結合組織細胞による成長阻止試験では、陽性と判断された2) (Steele et al., 1988)。 イヌ イヌ 催奇形性/生殖試験 成熟した雌ビーグル12匹から成る4群に対して、本色素0、300、900、3000 ppmを混餌投与し、3000 ppmを投与した雄と交配させる、催奇形性および生殖試験を行った。妊娠前投与期間は最初の同腹児については45日〜382日であり、2回目の同腹児については132日〜572日であった。妊娠約60日に帝王切開によって各群雌6匹を出産させ、残りの雌は2群の同腹児のいずれも自然分娩させた。出生児は8週齢までに離乳させた。連続して得た2群の同腹児を調べた。母動物の生殖、体重、摂餌量、あるいは同腹児の数、生存率、病理、骨格発達に関して、有意な影響は認められなかった3) (Mastalki et al., 1975)。 ハムスター ハムスター 催奇形性試験 妊娠ハムスターに最高用量1000 mg/kg体重の本色素を妊娠6〜10日に投与したところ、着床あるいは母動物または胎児生存に明らかな影響は認められなかった。試験群の軟組織または骨格組織の異常発生率には、対照群との有意差はみられなかった3) (Anonymous, 1972c)。 ウサギ ウサギ 催奇形性試験 妊娠ウサギ10〜14匹から成る8群に本色素0、1.5、5.0、15.0 mg/kg/日をカプセルにして妊娠6〜16日に与え、妊娠29日に帝王切開して屠殺した。本色素による催奇形性は認められず、着床、児の体重、生存児、吸収胚の総数にも有意な影響は認められなかった。母動物1匹当たりの平均早期胚吸収数に増加が認められ、その増加量は、1.5および15.0 mg/kg群では統計学的有意性(p=0.05)未満であったが、5.0 mg/kg群では有意であった3) (Keplinger et al., 1974)。 ウサギ 催奇形性試験 妊娠ウサギに本色素27、90、300、1000 mg/kg体重を妊娠6〜18日に投与したところ、着床あるいは母動物または胎児生存に明らかな影響は認められなかった。試験群の軟組織または骨格組織の異常発生率には、対照群との有意差はみられなかった3) (Anonymous, 1972b)。 ネコ ネコ 催奇形性/生殖試験 雌の成熟短毛種ネコ12匹から成る4群に対して、生殖および妊娠期間の前およびその期間中に本色素を0、300、900、3000 ppm混餌投与する、催奇形性および生殖試験を行った。すべての雌を、本色素3000 ppmを混餌投与した雄と交配させた。妊娠約60日に帝王切開によって雌6匹を出産させ、残りの6匹は正常に同腹児を分娩させた。 自然な発情期の開始時点は不明であるため、妊娠前の投与期間を一定にすることは困難であった。同様の理由で、帝王切開で出産した仔ネコは様々な妊娠段階にあった。着床および胚吸収、黄体、死産児、生存児を帝王切開後24時間にわたって調べた。正常分娩の仔ネコを8週間後に離乳させ、検査した。胚吸収数は3000 ppm群で高値となり、帝王切開後の24時間生存率は300 ppm群で低値となった。正常分娩時の平均体重は900 ppm群でのみ低値となったが、出生後8週間目では影響は認められなかった。調べたいずれのパラメータも、明確には有害作用を示す所見とみなすことはできなかった3) (Korinke et al., 1974)。 ネコ 催奇形性試験 成熟した雌ネコに本色素0、92、187、264 mg/kg体重をゼラチンカプセルとして連日投与した。投与は、妊娠22日前から妊娠61日または62日まで実施した。10日〜38日間の期間を置いて7つの試験を行った。6試験ではネコ20匹を各試験で使用し、1試験では11匹を使用した。各試験ではネコを無作為に5つの群に割り付けた。3群には本色素を投与し、残りの2群は対照として用いた。自然またはゴナドトロピンの刺激により発情期の雌の交尾を管理し、妊娠時期を調節した。帝王切開を妊娠61日目または62日目に行った。総着床数、黄体/総着床数の比、死亡胎児、脱落膜腫、生存胎児、インキュベータ内での生存胎児の24時間生存率、生存胎児の平均体重、性別比、および胎児異常に関して、本色素摂取と関連すると考えられる有意な影響は認められなかった4) (Khera et al., 1976)。 ■局所刺激性 ウサギ ウサギ 皮膚刺激性試験 ウサギ9匹から成る6群を使用し、本色素0.1%および1%を含む軟膏あるいは水溶媒を用いて皮膚刺激および経皮毒性試験を行った。投与に関連する皮膚毒性あるいは全身毒性は認められなかった4)(Carson, 1962)。 ■その他の毒性 ラット ラット 腎石灰化に関する試験 成熟(11週齢)Wistarラット雌雄25匹から成る群に対して、本色素摂取量が0、20、40、80、1250 mg/kg体重/日となるように調整して28日間または90日間混餌投与を行った。90日間投与では、実際の摂取量は目標値に近かったが、28日間投与では、実際の1日摂取量平均は雄で0、15、30、63、1005 mg/kg体重/日、雌で0、17、33、69、1046 mg/kg体重/日となった。陽性対照として、同様の群に50%乳糖を28日間混餌投与した。 28日間の乳糖投与後、体重増加が抑制され、病理組織学的検査では腎盂の石灰化および過形成発生率の増加が認められた。 28日間および90日間のいずれの投与期間においても、対照群の体重と80 mg/kg体重/日までの本色素投与群の体重に、統計学的有意差は認められなかった。雄では、1250 mg/kg体重/日群において体重増加抑制の傾向が認められ、28日間投与後の体重には統計学的に有意な差(P<0.05)がみられたが、90日間投与後ではみられなかった。最高用量群の雌雄の摂水量はいずれも、対照群に比して多量であった。 腎相対重量および腎のカルシウム、マグネシウムおよびリン濃度は、いずれの投与群およびいずれの投与期間でも、本色素投与による影響を受けなかった。腎での病理組織学的所見の全体的発生率は低かったが、90日間投与後の高用量群雄では、腎盂過形成および石灰化を認めた動物数がわずかに増加した。しかし、28日投与後ではそのような増加は認められなかった。 石灰化は、老年期ネフローゼ発現動物のみで発生すると結論付けられた。この90日間投与試験における本色素の無作用量は80 mg/kg体重/日であった1) (Ford, Butler & Gaunt, 1983)。 ラット 子宮内(in utero)曝露を含む長期試験 Wistar系起源の異系交配ラットから構成される対照群雌雄各114匹および投与群雌雄各66匹に、本色素の1日摂取量が0(対照)、50、250、1250 mg/kg体重となるように、交配前の60日間に本色素を混餌投与した(F0世代)。その後、ラットは、同胞交配を避け、雌雄一対で交配し、試験期間中投与を継続しながら、雌には児を出産させ、育てさせた。各児はその母動物と同様の食餌を与えて離乳させた。最後の児が離乳した後、児を(1群の同腹児から雌雄1匹ずつのみ)選択し、90匹(対照群)あるいは54匹(各投与群)から成る長期試験用の群を設けた(F1世代)。3〜5週齢でF1世代を選択した後、雄では3週間、雌では112週間投与を続けた。 両世代において、一般状態を観察し、体重、摂餌量および摂水量を頻繁に測定した。3、6、12、18ヶ月後にF1群の雌雄各20匹の尾静脈から採血した血液、および試験終了時に全生存ラットの大動脈から採取した血液について、血液学的検査を行った。検査項目には、赤血球容積(PCV)、ヘモグロビン、メトヘモグロビン、赤血球数、総白血球数、白血球分画数、および網状赤血球数が含まれていた。3、6、9、12、18、24ヶ月後にF1世代から選択した雌雄各20匹について腎機能検査を実施した。F1試験相終了時に血清化学的検査を実施した。尿素、ブドウ糖、アルブミンおよび総蛋白質、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、乳酸脱水素酵素、アルカリホスファターゼを測定した。 試験中に状態不良のため、死亡あるいは屠殺した動物について、詳細な剖検を実施した。また、F0世代の各群の雌雄からそれぞれ選んだ15匹、およびF1世代の全生存動物についても剖検を行った。剖検では、副腎、大動脈、膀胱、脳、盲腸、結腸、副睾丸、眼、生殖腺、ハーダー腺、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、乳腺、筋(骨格筋)、鼻骨、神経(坐骨)、食道、膵臓、前立腺、唾液腺、精嚢、皮膚、小腸、脊髄、脾臓、胃、胸腺、甲状腺、舌、気管、子宮、膣、静脈を採取した。大腿骨骨髄膜も採取した。F1世代の全動物から採取した鼻骨および脊髄を除いた全組織について、病理組織学的検査を実施した。鼻骨および脊髄の検査は、対照群と最高用量群の検体に限った。 観察期間中に投与と関連があると考えられた所見は、外観における赤色の混合、糞便の赤色着色、および最高用量群における糞便のペレット形状のくずれのみであった。F0世代雌の90%以上が投与と無関係に同腹児を出産し、児の数は投与群の方が多くなった。最高用量群の児の平均体重は対照群に比して低値となったが、児の数が多いため、同腹児の合計体重は減少しなかった。 F1世代において、本色素1250 mg/kg体重を投与した雌雄は、摂餌量がわずかに増加したにもかかわらず、いずれも対照群に比してわずかに体重が低値となり、食餌利用率が低下したと結論付けられた。最高用量群の摂水量はわずかに増加(10〜12%)したが、雄の腎機能検査において、尿は濃縮され、尿量は低下する傾向が見られた。糞便による水分消失増加を補うために摂水量が増加したと結論された。 血液学的検査または血清化学的検査で投与に関連すると考えられる一貫した所見は認められなかった。最高用量群の雌雄ラットにおいて、剖検で得られた血液中のヘモグロビン濃度がわずかに高値であったが、この値は雌においてのみ統計学的に有意であった。18ヶ月後に、最高用量群の雌雄いずれにおいても、尿中細胞数が高値となった。最高用量群の雌では、12ヶ月後以降に尿中における蛋白排泄量が増加する傾向が認められた。このような所見は散発的であるが、腎障害が対照群に比して高用量群で早期に発現することを示している可能性がある。 対照群と投与群の死亡率に有意差は認められず、F1世代の腫瘍発生率および群での分布は、試験した系統のラットで予測される結果であり、投与による影響はなかったと考えられた。最終臓器重量解析で認められた投与関連の唯一の所見は、両世代の2高用量群雄、両世代の最高用量群雌、F0世代の1250 mg/kg体重群雌における盲腸重量の増加であった。 全用量群において、腎石灰化および腎盂上皮過形成がみられる雌ラットの数は増加したが、雄ラットでは、最高用量群でもそのような病変発生率に有意差は認められなかった。試験終了時の病理組織学的検査において、年齢に関連する様々な退行性変化が認められたが、最高用量群雌でみられた腎障害による変化を除き、それらは投与と関連しないと考えられた。 1250 mg/kg体重までの用量で本色素をラットに曝露し、さらに妊娠および授乳中にも曝露を行い、続いて出生児にも2年間以上曝露を行ったが、発がん性作用は認められなかった。しかし、使用した全用量群雌の腎に影響が認められたことから、本試験において無作用量(no-untoward-effect)は設定できなかった1) (Clode, Hooson, Butler & Conning, 1982)。 上記試験における最初の組織評価は無作為化法で行わなかったが、このことが、変化の程度に関する評価に影響を与えた可能性が考えられた。そのため、投与群に関してすでに得られた情報とは無関係に、無作為化法によって腎および副腎組織を再評価した。再評価では、雌F1ラットの腎盂の石灰化および上皮過形成に用量に関連した増加傾向が確認された。 過形成は一般に、腎盂石灰化がみられる動物に認められた。統計学的解析(片側Fisher直接法)では、低用量(50 mg/kg)群の腎盂石灰化および過形成の発生率は、対照群と比較して有意差はなかった。雄で用量に関連した腎盂石灰化の発生率増加傾向が唯一認められたが、いずれの投与群でも対照群と比較して統計学的有意差は認められなかった。雌雄ともに、F1ラットの老年期糸球体腎症および副腎病理は投与による影響を受けていなかった。F0ラットでは雌雄いずれにおいても、何らかの部位の石灰化あるいは腎盂過形成の有意な増加は認められず、糸球体腎症はこれらの若齢ラットではほとんど認められなかった1) (Butler & Conning, 1983)。 モルモット モルモット 感作性試験 モルモットによる試験では、本色素に感作性は認めらないことが確認された4) (Bar & Griepentrog, 1960)。 ニワトリ ニワトリ 胚試験 様々な用量の本色素およびナフチオン酸ナトリウムを卵黄および気室に投与し、ニワトリ胚試験を実施した。本化合物は低用量および高用量よりも中用量で毒性が低く、明確な用量相関性は認められなかった4) (Winbush, 1972)。 ネコ ネコ ハインツ小体試験 第1日目に1g、第9日目と18日目に0.1 gに相当する本色素の5%溶液をネコ4匹に注射して行ったハインツ小体試験は、陰性であった4) (Anonymous, 1957)。 ■ヒトにおける知見 (link to HSDB) ヒト 過敏性試験 本色素のようなアゾ色素に過敏性を示すことが疑われる再発性蕁麻疹患者または血管浮腫患者7人のうち、1人が本色素の誘発に反応して蕁麻疹を発現した。さらにもう1人にも他感覚徴候(objective sign)の反応が認められ、他の患者3人には、自覚症状が認められた3) (Michaelson & Juhlin, 1973)。 ■引用文献 1) WHO Food Additive Series No.19 Amaranth 1984 (link to WHO DB) 2)第7版食品添加物公定書解説書 3) WHO Food Additive Series No.8 Amaranth 1975 (link to WHO DB) 4) WHO Food Additive Series No.13 Amaranth 1978 (link to WHO DB) |メニューへ| |
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