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和名 ジメチルポリシロキサン 英文名 Dimethylpolysiloxane CAS 9016-00-6 (link to ChemIDplus),9006-65-9 (link to ChemIDplus) 別名 メチルポリシロキサン、dimethicone 収載公定書 薬添規(JPE2018),外原規(2006) USP/NF(28/23) EP(5) 用途 安定(化)剤,基剤,光沢化剤,消泡剤,粘着剤,溶剤 ■JECFAの評価:8050-81-5 (link to JECFA) 毒性学的影響がみられない量 ラット: 150 mg/kg bwに対し食餌中0.1% (= 1000 ppm) ヒトに対するADIの見積もり:0-1.5 mg/kg bw ■単回投与毒性 9016-00-6 (link to ChemIDplus), 9006-65-9 (link to ChemIDplus) 1)
■反復投与毒性: 9016-00-6 (link to TOXLINE) , 9006-65-9(link to TOXLINE) ラット 雌ラット5匹ずつの4群に0%、0.1%のシリコンを含有した食餌を3ヶ月間与えた。全身症状、体重、成長速度、血中尿素濃度、器官重量に有害な影響はみられなかった。主な器官の組織病理学的所見も正常であった。1) (Child et al., 1951) 雌成熟ラット5匹ずつの群にシリコン溶液(350cSt)を0, 1.0, 2.0, 5.0, 10.0, 20.0 g/kg bwの濃度で28日間投与した。成長、血液検査、器官重量、組織病理学的な異常は認められなかった。1) (Rowe et al., 1948) 50, 350, 1000, 10 000, 60 000 cSt のシリコン溶液を雄10匹、雌10匹ずつのラット5群に食餌中1%の濃度で90日間投与した。雄雌20匹ずつを対照群とした。 死亡率、摂食量、体重、血液検査、器官重量、組織病理学的検査に異常はみられなかった。1)(MacDonald et al., 1960) ラット15匹ずつの2つのグループにジメチルポリシロキサン(DC151)を食餌中0.3または1.0%の濃度で投与し、10匹のラットを対照群とした。摂食量、血液検査、死亡率は対照群と同様であった。最高用量投与群で体重のわずかな抑制がみられた。1)(Pollard, 1960) 雄雌ラット5匹ずつの群に1%の濃度で粘度50及び350cStのシリコン溶液を含有した食餌を1年間与えた。10匹ずつの雄雌ラットを対照群とした。体重、血液検査、血中尿素、窒素、SGPT、コレステロール、血清アルカリフォスファターゼ、尿検査、器官重量に有害な影響はみられなかった。主な器官の組織学的所見は正常であった。1) (Carson et al., 1966) ラット10匹(雄5匹、雌5匹)の群に96%液体ジメチルシロキサンと4%シリコンの混合物を1%の濃度で食餌中にまぜて1年間投与した。10匹の雄と10匹の雌を対照群とした。成長、体重、血液検査、血中尿素、尿検査、血清ピルビン酸トランスアミナーゼ活性、器官重量(10器官)、組織学的検査(13器官)に投与ラットと対照群ラットの間に明らかな違いは認められなかった。1)(Carson et al., 1966) 雄雌ラット5匹ずつの3群に乳化剤として2%のペンタエリトリトールを加えた50% Antifoam A (silicon eith silica) のシリコンエマルジョンを0.0%, 0.5%, 2%の濃度で含有した食餌を約260日間与えた。体重、器官重量に有害な影響はみられなかった。それぞれの群で、血液は正常であり、出産のために交尾させ、仔を引き離し測定した生殖作用における総タンパク量にも異常はみられなかった。1) (Frodsham, 1956) (長期試験) 雄ラット25匹、雌ラット25匹ずつの群に0% または0.3%のシリコン溶液を含んだ食餌を2年間与えた。 外見、成長、生存率または死亡率、血液検査、血中尿素、肝脂質、器官重量、肉眼的または顕微鏡的病理検査にシリコン投与群とコントロール群との間に明らかな違いは認められなかった。1)(Rowe et al., 1950) 雌ラット30匹と雄ラット10匹の3群に0%, 0.01%, 0.1%のシリコン溶液を含有した食餌を2年間与えた。更に2世代を飼育し同様の食餌を与えた。F1世代は28週で剖検し、F2世代は、25週で剖検を行った。体重、肉眼的、組織学的病理所見に有害な影響はみられなかった。小腸のわずかな重量の増加がみられたが、統計学的に有意ではなかった。消化管壁にシリカは認められず、また他の臓器でも過度の上昇は認められなかった。腫瘍を示唆する異常は認められなかった。肝機能検査、尿検査、脂質代謝、腎機能検査、血液検査はF1とF2及び対照群で違いはなかった。1)(Frazer, 1959) (長期試験) 10匹ずつの離乳したばかりのラット2群に0% または0.1%のシリコン溶液を含有した食餌を2年間投与した。体重、行動、組織病理検査に有害な影響は認められなかった。1)(Gloxhuber & Hecht, 1955) ウサギ 6匹のウサギ(雌3匹、雄3匹)の群に乳化剤として2%のペンタエリトリトールを加えた50% Antifoam A (silicon eith silica) のシリコンエマルジョンを食餌中1%の濃度で混ぜて8ヶ月間試験を行った。6匹の雄と6匹の雌を対照群とした。体重、器官重量に有害な影響はみられなかった。1)(Carson, 1966) ウサギ雄雌3匹ずつの群に粘度50及び350cStのシリコン溶液を食餌中1%の濃度で混ぜて8ヶ月間与えた。雄6匹、雌6匹を対照群とした。体重、血液検査、血中尿素、窒素、SGPT、コレステロール、血清アルカリフォスフォターゼ、尿検査、器官重量に有害な影響は認められなかった。主な臓器の組織学的所見も正常であった。1)(Carson et al., 1966) イヌ 成犬2匹ずつの群に0, 300, 1000, 3000 mg/kg bw の濃度でシリコン溶液を6ヶ月間、1週間に5日与えた。頻回の軟便以外には体重に有害な影響はみられなかった。わずかな量のシリコンが3000mg/kg bwを与えた群の糞から回収された。血液学的検査、尿検査では異常所見はみられなかった。肉眼的、組織学的所見でも異常はみられなかった。。対照群ではみられなかったが、シリコン溶液を与えられた全てのイヌの肝臓は茶色から黒色でありkupffer細胞と実質に遊離鉄胆汁が集積しており、その量はシリコンの投与量に関連していた。同様の集積が最高投与量のイヌの小葉胆管に見られた。これらの所見の意義は、不明である。1)(Child et al., 1951) 雄の成犬2匹に1日1.0 または313 g/kg bwのジメチルポリシロキサン(DC151)を8ヶ月間投与した。行動、体重、血液検査、尿検査に異常は認められなかった。毎月の肝臓、脾臓、腎臓、骨髄バイオプシーについても全て正常であった。1)(Pollard, 1960) サル サル2匹ずつの2群にジメチルポリシロキサン(DC151)を100 または300 g/dayで8ヶ月間1週間に5日投与した。1匹のサルを対照とした。すべてのサルに時々下痢がみられた。その他の異常はみられなかった。1)(Pollard, 1960) 以下については該当文献なしに ■遺伝毒性: 9006-65-9 (link to CCRIS) ■がん原性 ■生殖発生毒性:9016-00-6 (link to DART), 9006-65-9 (link to DART) ■局所刺激性 ■その他の毒性 依存性 抗原性 その他 神経毒性 雄ラット、New Zealand 白うさぎ、雌カニクイザルにジメチルポリシロキサン溶液(Dow Corning MF360)を脊髄注射を行った。試験動物は30日または30日後に屠殺した。神経学的な影響はみられなかった。剖検では、うさぎ、サルには神経細胞に明らかな病理学的変化はみられなかった。うさぎの神経組織にみられた変化は、対照群(生理食塩水)における発現率とおなじくらい試験動物にもみられらものであった。1)(Hine et al., 1969) 14Cでラベルしたジメチルポリシロキサンをラットに腹膜内注射した。投与25日後に投与量の96.52%が組織中に残っていた。尿および糞のサンプルに蓄積はみられなかった。放射活性のほとんどが脂肪組織に分配されていた(51.0%)。肝臓のおそらく脂肪組織に13.5-16.1%の放射活性がみられた。心臓、血液にはみられなかった。14Cでラベルしたシリコンをラットの槽内に注入し、投与45日後に組織分配を検査した。投与活性の約92%が組織中にみられた。脳、脊柱、脊髄に多くみられ、それぞれ41.1%、31.4%、9.9%であった。脂肪組織は10%以下であり、C14ラベルのトレースは、脾臓、肝臓、肺にみられた。脱メチル化はみられなかった。1)(Hine et al., 1969) ■ヒトにおける知見:9016-00-6 (link to HSDB) , 9006-65-9 (link to HSDB) 誤用 その他 ジメチルポリシロキサンを含有した製剤を胃内視鏡施行中の唾液減少のため、また、200mg/日を最大投与量として鼓腸抑制のため、ヒトに治療的に使用した。1)(Dailly & Rider, 1954; Garry, 1956; Oswald, 1961; Hock, 1962; Entine, 1962; Reinhardt, 1961). 27人の患者に48 mlのジメチルポリシロキサン(DC151)を3から13ヶ月投与した。嘔気が時々発現した以外は有害事象はみられなかった。1) (Pollard, 1960) ポリヂメチルシロキサンAまたはM化合物のセサミオイルまたはエマルジョンのいずれかを食事コントロールをしているヒトまたは流動食を摂取しているヒトに経口単回投与(100 mg/kg または30 mg/kg solids for emulsions) を行った。化合物Mの投与は、試験化合物投与72時間に排泄された総シリコンまたは有機可溶性尿中シリコンの統計学的有意な上昇はみられなかった。この化合物はlowM.W.polymerを含んでいない。lowM.W.polymerを含む化合物Aの投与では、投与後72時間までのシリコンの尿中排泄および有機可溶性尿中シリコンの上昇がみられた。投与量の1.8-3.3%が尿から排泄された。そのうち約25%が同定されない可溶性有機シリコン化合物の形であった。呼気試験では、化合物M投与を受けた者から有機シリコン化合物は検出されなかった。化合物Aの呼気試験では、投与量の約0.35%が投与後8時間で検出された。呼気には主にオクタメチルサイクロテトラシロキサンと少量のデカメチルサイクロペンタシロキサンが含まれていた。1) (Anonymous, 1974) ■引用文献 1) WHO Food Additive Series No.6 Dimethylpolysiloxane (link to WHO DB) |メニューへ| |
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