日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 リン酸二水素カルシウム
英文名 MONOBASIC CALCIUM PHOSPHATE

CAS 7758-23-8 (link to ChemIDplus),  (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 第一リン酸カルシウム
収載公定書  局方(JP17),食添(JSFA-IX
用途 安定(化)剤,コーティング剤,糖衣剤,賦形剤,崩壊剤


JECFAの評価 (link to JECFA)
カルシウムは人体に不可欠な無機質の1つである。カルシウムの代謝はリンとビタミンDとの摂取に関係があり、特にリンとの関係では、その比が1:2〜2:1であるのが望ましいとされている。FAO/WHOは、食品添加物としてのリン酸化合物の評価は、天然のリン化合物が広く存在するため総リン摂取量に関係づけて行う必要があるとし、すべての摂取源からリンとして1日最大耐容摂取量(MTDI)を70mg/kgとしている。1)


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
急性毒性はラットに対する腹腔内投与でLD50 500mg/kg(無水物)、経口投与でLD50 4,000mg・kg(無水 物)である。FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会による安全性評価の結果は、ADIは制限しないとしている。カルシウムはリン酸塩の形で小腸から吸収される。2)


反復投与毒性 (link to TOXLINE)
遺伝毒性
がん原性
生殖発生毒性 (link to DART)
局所刺激性


その他の毒性
これらの実験は食品の塩化物、リン、硫酸塩の相対的酸産生度とニワトリが産む卵の殻質への影響 について行われたものである。これらのイオンのカルシウム塩がとうもろこし大豆の餌に添加物150〜450meq/kg塩化物、150〜600meq/kgリン酸単塩基、150〜1,200meq/kgリン酸二塩 基、150〜1,200meq/kg硫酸塩として加えられた。その結果、卵を産むのにニワトリが塩化物で は200meq/kg(食品中0.95%総塩化物)まで、硫酸塩では450〜600meq/kg(2.16〜 2.88%硫酸塩)まで添加しても安全であることが示された。これらより高いレベルでは殻質に逆影響 を及ぼし、血液の酸塩基のバランスを変えた。リン酸単塩基とリン酸二塩基とでは、ニワトリは卵を産むのにかなり違った反応をした。900〜1,200meq/kgリン酸二塩基(1.95〜2.41%総リン)添加では卵を産むのに逆影響はなく、450meq/kg(1.25%総リン)添加まで殻質に影響はなかった。反対に、150meq/kgリン酸単塩基(食品中1.02%総リン)によっては卵を産むのにかなり支障が 生じた。この結果は、リン酸単塩基(リン酸二塩基ではない)の形では強い酸性イオンを生じ、卵を産むことと殻質への影響のほとんどはナトリウムあるいはカリウム重炭酸アルカリ塩により好転させることができることを示した。これら酸性イオンのカルシウム塩の酸産生度の比較は、リン酸塩(単塩基)>塩化物>硫酸塩>リン酸塩(二塩基)であった。2)


ヒトにおける知見 (link to HSDB)


引用文献
1)  藤井清次、林敏夫、慶田雅洋:食品添加物ハンドブック(第二版)
2)  Keshavarz K.Department of Animal Science, Cornell University, Ithaca, New York 14853.  Laying hens respond differently to high dietary levels of phosphorus in monobasic and dibasic calcium phosphate.Poult Sci. 1994 May; 73(5): 687-703.



   



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