日本医薬品添加剤協会 |
和名 リボフラビン 英文名 Riboflavin CAS 83-88-5 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB) 別名 ビタミンB2 、lactoflavine 収載公定書 局方(JP17) ,食添(JSFA-IX), USP/NF(27/22) EP(4) 用途 着色剤 ■JECFAの評価 (link to JECFA) ラットでの無毒性量は50mg/kg bw/dayであり、ヒトでの1日の許容摂取量(ADI)は0〜0.5 mg/kg bw/dayである。1) ヒトでのリボフラビン及びリン酸リボフラビンのADIはリボフラビンとして0〜0.5 mg/kg bw/dayである。2) 遺伝子組み換え枯草菌による醗酵由来品も合成品と変わりない評価が得られているので、醗酵由来品を含めたリボフラビンのヒトでのADIは合成品及びリン酸リボフラビンで設定された値と同様0〜0.5 mg/kg bw/dayである。3) ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus),
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット 1群雌雄各10匹から成る6週齢のWistar系ラットに、20、50、200 mg/kg体重のリボフラビンを、13週間に渡り、連日(週7日間)混餌投与した。使用したリボフラビンは純度96%及び純度98%の醗酵由来品1及び純度98%の合成品である。対照群には雌雄各30匹のラットを用いた。また、回復性を検討するために雌雄各6匹から成るサテライト群を各群に設けた。食餌および水は自由に摂取させた。 脱毛が様々な群で頻繁に認められたが、一過性であり用量との関連性はみられなかった。いずれのリボフラビンにおいても高用量群ではラット排泄物は試験期間中を通して黄色がかっていた。摂餌量および摂水量には用量と関連する群間差は認められなかった。 投与期間中、純度98%の醗酵由来品200 mg /kg群の雌では、約6%の有意な生育抑制を示した。純度98%の合成由来品50 mg /kg群の雌雄でも有意な生育抑制が認められた。しかし、生育抑制はいずれもわずかであり食餌効率(food conversion)への影響はなく、毒性学的に重大であるとは判断されなかった。回復期間中、体重は全群で同様であった。投与6週後の検査では血液学的パラメータに変化は見られなかったが、投与終了時(13週目)には純度98%醗酵由来品の200 mg/kg群の雌でヘモグロビン量および赤血球数の有意な低下及び網状赤血球の有意な増加が認められた。平均値としての変化はわずかなものであったが、同群の雌10匹中2匹では網状赤血球数が著明高値を示し、他の2匹でも多少高かった。純度98%醗酵由来品の最高用量群の雌及び純度98%の合成品最高用量群の雄で認められた有意な平均血小板数増加は正常範囲内のものであった。従ってこれらの変化は毒性学的には重大ではないと判断された。6および13週目に、いくつかの投与群で白血球数が有意に減少したが、用量反応性はなく投与に関連するとは判断されなかった。血液の臨床化学検査および尿検査では投与関連の変化は認められなかった。 投与終了時、純度98%の醗酵由来品200 mg/kg群の雌で肝臓の相対重量が、純度96%の醗酵由来品200 mg/kg群および50 mg /kg群の雄で脾臓の相対重量がわずかではあるが有意に高値を示したが、用量反応性は認められなかった。臓器の肉眼的検査および顕微鏡的検査では投与に関連した異常は認められなかった。回復期間終了時、純度98%醗酵由来品の200 mg/kg群の雌で血小板数が有意に低下した以外、すべての血液学的パラメータは正常であり、臓器重量にも顕著な変化は認められなかった。 以上の結果から全3種類の被験物質の最大無作用量(NOEL)は200 mg/kg bw/日であると結論された。雌ラット2匹以外では赤血球数低下と網状赤血球数増加に明らかな関連性が見られなかったため、純度98%醗酵由来品200 mg/kg群の雌で認められたヘモグロビン濃度と赤血球数の低下は偶発的所見であると判断された。さらに、測定値は予想範囲を超過しておらず、いずれの群においても明らかな用量反応性は認められなかった。また、赤血球プロファイルの変動をもたらすと考えられる関連変化(例えば、溶血、造血臓器の重量変化や病理組織学的変化)も認められなかった。3) (Buser et al., 1995) イヌ 10週令のイヌ4匹に25mg/kg/dayのリボフラビンを5ヶ月間摂取させた。生育は正常であり、有害性は認められなかった。試験後剖検所見でも肉眼的に異常は認められなかった。2) (Unna and Greslin, 1942) ■遺伝毒性 (link to CCRIS) リボフラビンは、Salmonella typhimurium のTA98、TA100、TA1535、TA1537、TA1538又はSaccharomyces cerivisiaeのD4に対し、代謝活性化の有無にかかわらず突然変異原性を示さなかった。2) (Litton Bionetics, 1977a ) 枯草菌の醗酵由来品における突然変異原性試験
■がん原性 (link to CCRIS) ■生殖発生毒性 (link to DART) 離乳したばかりの雌雄ラットに1日10mgのリボフラビンを140日間投与した。それらのラットを交配して得られた正常な第1世代の仔に対して生後3週間後から10mg /日を140日間投与した。同様にして第3世代まで続けた。発育、成長、繁殖において投与・対照群間に異常は認められなかった。試験終了時での解剖所見においても肉眼的な異常は認められなかった。1)2) (Unna and Greslin, 1942) 13匹の雌ラットに0.01%のリボフラビンを含む餌を2週間投与し交配させた。投与は妊娠期及び授乳期を通じて行った。0.0004%のリボフラビンを投与したものを対照群とした。投与群の胎仔の数は対照群よりも少なかった。出生時の胎仔体重、数および離乳期の平均体重は、投与群と対照群との間に有意差はなかった。しかし、投与群では胎仔の生命力は明らかに劣っている様子であり、一腹の胎仔群が死亡した。2)(Schumacher et al., 1965) Wistar系の若齢雌ラットに0.0004%又は0.004%のリボフラビンを妊娠及び授乳期間中、混餌摂取させた。1母体あたりの胎仔数、死亡率、胎仔の体重増加について有意差はなかった。2) (Le Clerc, 1974) ■局所刺激性 該当文献なし ■その他の毒性 該当文献なし ■ヒトにおける知見 (link to HSDB) 7歳のシュウ酸塩尿症の子供に4g/dayのリボフラビンを9日間投与したが有害性は認められなかった。2) (Shepard et al., 1960) 乾癬患者310名の患者にリン酸リボフラビン10-60mg(約0.1-1.0mg/kg)又はリボフラビン20-1000mg(約0.3-15mg/day)を42ヶ月間経口投与したが有害性は認められなかった。2) (Welsh and Ede, 1957) ■引用文献 1) FAO Nutrition Meeting Report Series 46a, The Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives (JECFA), Rome, 1969 (link to WHO DB) 2) WHO Food Additives Series 16. Riboflavin-5’-Phosphate, The Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives (JECFA), Geneva, 1981 (link to WHO DB) 3) WHO Food Additives Series 42. Fifty-first meeting of the Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives (JECFA), Geneva, 1999 (link to WHO DB) |メニューへ| |
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