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和名 キサンタンガム 英文名 Xanthan Gum CAS 11138-66-2 (link to ChemIDplus) 別名 ザンタンガム 収載公定書 薬添規(JPE2018), 食添(JSFA-IX), USP/NF(28/23) EP(5) 用途 安定(化)剤,基剤,懸濁(化)剤,粘着増強剤,粘稠剤,粘稠化剤 ■JECFAの評価 (link to JECFA) ADIは「特性せず」と評価されている。(第21回会議、1986年) ■単回投与毒性
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット ラットを用いた7日間反復投与試験 Wistar系ラットに高用量のマルトースと4%キサンタンガム又は4%セルロースの混合物質の含有食を与え、7日間反復投与試験を実施した。キサンタンガム群の小腸重量(含む内容物)が110%.増加したが、腸管内水分が400%増加したことが主な原因と考えられた。1)(Trout et al., 1983) ラットを用いた91日間反復投与試験 キサンタンガム含有食をラットに与え、91日間反復投与試験を実施した。体重増加抑制が7.5及び15%群に見られたが、3及び6%群には認められなかった。血液、臓器重量及び病理組織の各検査に異常は認められなかった。15%群に糞便量の増加が観察されたが、下痢は認められなかった。さらに7.5%キサンタンガム含有食又は普通食を制限給餌条件下で18日間反復投与した結果、体重増加率に群間の差は認められなかった。1) (Booth et al., 1963) ラットを用いた100日間反復投与試験 1群雌雄各5匹の離乳期ラットにキサンタンガム0、2.5、5又は10%含有食を与え、100日間反復投与試験を実施した。病理学的な変化は認められなかった。1)(Booth et al., 1968) ラットを用いた99-110日間反復投与試験 ラット(例数不明)にキサンタンガム7.5 又は10%含有食を与え、99-110日間反復投与試験を実施した結果、動物に悪影響は認められなかった。1)(Booth et al., 1963) イヌ イヌを用いた2週間反復投与試験 1群雌雄各2匹の若齢ビーグル犬にキサンタンガム0、1、2g/kg又はセルロース2g/kg (対照)相当を摂取するよう飼料に混合して2週間反復投与した。下痢が高用量群では持続的に、低用量群では散発的に認められた。体重減少が対照群を含むすべてのイヌに認められたが、キサンタンガム群に顕著であった。貧血、コレステロール値低下及び副腎相対重量の増加が高用量群に認められたが持続的な下痢に関連する変化と考えられた。肝機能、腎機能及び病理組織の各検査に異常は認められなかった。1)(Robbins et al., 1964) イヌを用いた12週間反復投与試験 1群雌雄3匹のビーグル犬にキサンタンガム0、0.25又は0.5g/kg相当を摂取するよう飼料に混合して与え、12週間反復投与試験を実施した。0.5g/kg群に軟便、体重増加抑制及びコレステロール値の低下が認められた。今回の試験条件下ではNOAEL(無毒性量)は0.25g/kgと判断された。1)(USDA, 1964) イヌを用いた107週間反復投与試験 1群雌雄各4匹のビーグル犬にキサンタンガム0、0.25、0.37又は1g/kg相当を摂取するよう飼料に混合して与え、107週間反復投与試験を実施した。糞便量の増加及び尿比重の上昇が用量反応性に観察され、アルブミン尿の発現率上昇及び軟便が1g/kg群に認められた。生存率、摂餌量、体重、心電図、血圧、心拍数、血液、血液化学、臓器重量及び病理組織の各検査に異常は認められなかった。1)(Woodward et al., 1973) ■遺伝毒性 該当文献なし ■がん原性 ラット ラットを用いた104週間がん原性試験 1群雌雄各30匹のCD系ラットにキサンタンガム0、0.25、0.5又は1g/kg相当を摂取するように飼料に混合して104週間投与した。生存率、体重、摂餌量、血液、臓器重量及び病理組織の各検査において被験物質に起因する変化は認められなかった。1) (Woodard et al., 1973) ■生殖発生毒性 (link to DART) ラット ラットを用いた3世代試験 第1世代は1群雄10匹、雌20匹を、その後の世代は1群雌雄各20匹のラットを用い3世代試験を実施した。キサンタンガム0、0.25又は0.5 g/kg相当を摂取するように飼料に混合して与えた。生存率、体重、一腹の胎仔数、出産仔数、離乳率、奇形、病理組織(第2、第3世代動物)の各検査に被験物質に起因する変化は認められなかった。1) (Woodard et al., 1973) ■局所刺激性 ラットを用いた皮膚刺激性試験(1%液15日間)、眼結膜刺激性試験(1%液5日間)では、いずれの試験においても刺激性は認められなかった。1)(Hendrickson & Booth, sine data) 1群3匹のウサギの皮膚に1%キサンタンガム2mLを6週間塗布した。累積の皮膚刺激指数は0で、被験物質の認容性は良好であった。1) (Guillot et al., 1982) ■その他の毒性 抗原性 18匹の雄モルモットに0.1%キサンタンガムを3週間(週3回、合計10回)皮内投与し、感作した。最終感作後10日に惹起皮内投与を行い24時間後に反応を観察した。キサンタンガムによる感作反応は認められなかった。1)(Durloo & Johnston, 1973) モルモットを用い皮内投与による感作を実施したが、キサンタンガムによる感作反応は認められなかった。1)(Hendrickson & Booth, sine data) その他 2日間絶食したラットに栄養的に充分な炭水化物とキサンタンガムの含有食を与え、栄養効果を検討した。0.8、1.4又は2% キサンタンガム投与条件下で、栄養摂取の低下が用量反応性示して認められた。1) (Putney et al., 1978) ■ヒトにおける知見 キサンタンガムの体重減量に及ぼす影響を検討する目的で、被験者をキサンタンガム550mg (制限カロリー食1000-1200 カロリー/日、10名)群、キサンタンガム550mg (無制限カロリー食、10名)群、プラセボ群(制限カロリー食1000-1200 カロリー/日、10名)に割り付け、8週間の試験を実施した。被験物質投与の両群に減量効果が認められた。1)(Wong et al., 1974) 過体重患者を用いキサンタンガム3g/日(1日3回)又はプラセボ3週間投与による二重盲検試験を実施した。顕著な副作用は認められず、被験物質の認容性は良好であった。遅延性であるが減量効果の可能性が示唆された。1)(Ockerman et al., 1983) 5名の健常人(26-50歳) にキサンタンガム10.4-12.9g/日(1日3回)を23日間投与した。血清コレステロール値の10%低下及び糞便中の胆汁酸増加が認められた。1) (Eastwood et al., 1986) ■この資料の一部は食品・医薬品共用添加物の安全性研究の成果を引用した. ■引用文献 1) WHO Food Additive No.21 Xanthan Gum 1986 (accessed ; Feb. 2005) (link to WHO DB) |メニューへ| |
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