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和名 カラギーナン 英文名 Carrageenan CAS 9000-07-1 (link to ChemIDplus) 別名 アイリッシュモス、カラギナン、カラゲナン、カラゲーナン、カラゲニン、Carrageenin 収載公定書 薬添規(JPE2018), 食添(JSFA-IX) USP/NF(27/22) 用途 基剤,懸濁(化)剤,乳化剤 ■JECFAの評価 (link to JECFA) ADI(1日許容摂取量)は「特定せず」と評価されている。ただし,新生児及び12週齢以下の乳幼児は適用外である。1) (第51回会議、2001年) ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット 1群10匹のWistar系雄ラットにιタイプタイプのカラギーナン(原料E. spinosum) 5%含有食を与えた56日間反復投与試験において、軽度の下痢が認められた1) (Grasso et al., 1973) 。 1群2匹の雄ラットにκとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus) 0、5、10又は20%含有食を与え、10週間反復投与試験を実施した。最高用量群にのみ50%の死亡率が観察されたが、体重増加に影響は認められなかった1) (Nilson & Schaller, 1941) 。 1群雌雄各20匹(含む回復試験用10匹)のSD系ラットにιタイプ(原料E. spinosum) 又はκタイプ(原料E. cottonii)のカラギーナン0又は5%含有食を与え、90日間反復投与試験及び28日間回復試験を実施した。投与期間中に認められた変化は、被験物質投与群の飼料栄養価値が対照群に比して低いため誘発されたもので、回復試験の結果から可逆性の変化であることが示唆された1) (Robbins, 1997)。 雌雄ラットにκとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus) 2、5、10、15又は20%含有食を与え、23-143日間反復投与試験を実施した。10、15及び20%混餌群に体重増加の遅延が認められた以外に異常は見られなかった1) (Hawkins & Yaphe, 1965)。 1群雄12匹、雌25匹のSD系ラットにκとλ混合タイプのカラギーナン加熱滅菌加工品4%含有食を与え、6ヶ月間反復投与試験を実施した。体重、盲腸及び結腸の病理解剖及び組織検査に異常は認められなかった1) (Tomarelli et al., 1974)。 雌雄のオズボーンメンデル系又はSD系ラットにκとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus) 5%含有食を与え、9ヶ月間反復投与試験を実施した。一般行動に異常は認められなかったが、病理組織検査においてオズボーンメンデル系雄ラットの1例に胆管増殖、雌ラットの3例に肝小葉の萎縮及び変形が認められた1) (Coulston et al., 1976)。 1群雌雄各15匹のSD系ラットにκタイプのカラギーナン抽出物(原料H. musciformis又はI. crispate) 1又は5%含有食を与え、1年間反復投与試験を実施した。被験物質投与群に体重増加の遅延、5%混餌群に軟便及び血便が見られた。病理解剖検査において、原料I. Crispataを用いた5%投与群の13例中10例に肝臓萎縮、肝表面粗剛が認められ、被験物質投与との関連性が示唆された。肝臓の病理組織検査及び電子顕微鏡検査では被験物質蓄積を示唆する所見は認められなかった1) (Coulston et al., 1975)。 モルモット 1群10匹の成熟モルモットを用いたιタイプの精製カラギーナン(原料E. spinosum) 0又は1%飲水投与による反復投与試験において、20日間投与群の4例中2例、30日間投与群の6例全例に盲腸潰瘍が報告されているが(Watt & Marcus, 1969)、ιタイプのカラギーナン5%混餌投与においても盲腸潰瘍が認められた1) (Sharratt et al., 1970)。 7匹の雌モルモットにιタイプのカラギーナン(原料E. spinosum) 5%含有食を与えた56日間反復投与試験において、盲腸及び結腸に限局した多発性潰瘍が認められた1) (Grasso et al., 1973)。 ブタ 1群雌雄各3匹のデンマークランドレース種ブタに体重1kg当たり0、50、200又は500mgのκタイプカラギーナン(原料C. crispus)を含有する食餌を与え、83日間反復投与試験を実施した。死亡率、一般行動、外観、摂餌量、血液及び血液化学検査、尿検査に被験物質投与に起因する変化は認められなかった。病理組織検査において、腸陰窩近傍の粘膜固有層にマクロファージ及びリンパ球の浸潤が200及び500mg/kg群に認められた1) (Poulsen, 1973)。 サル 雌雄の赤毛サルにκタイプのカラギーナン(原料C. crispus) 1%を飲水投与し、7-11週間反復投与試験を実施した。病理組織検査において、7週間投与例の1例に胃腸管に充血及び粘膜浮腫が認められたが、11週間投与例には異常は見られなかった。11週間の休薬後、雌雄各2例を用いて50-1250mg/kg漸増投与による12週間の反復投与試験を実施したが、病理解剖及び病理組織検査に異常は認められなかった1) (Benitz et al., 1973)。 ヒヒの雌雄乳児にκとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus) 0、1又は5%含有ミルクを出生時から112日間反復投与した。体重、尿、糞便、血液検査、臨床化学検査、臓器重量、胃腸管の病理解剖及び病理組織検査に異常は認められなかった1) (McGill et al., 1977)。 雄19匹、雌21匹の赤毛サルにκとλ混合タイプのカラギーナン0、50、200又は500mg/kgを5年間(週6日)強制経口投与し、その後2.5年間の混餌投与を実施した。被験物質投与群に軟便、潜血便、慢性の消化器症状、摂餌量低下、るいそうが時々に認められた。雌の被験物質投与群に体重増加抑制が認められたが、用量反応性はなかった。平均生存期間、血液及び血液化学検査、病理解剖及び病理組織検査に被験物質投与に起因する変化は認められなかった1) (Abraham et al., 1983)。 ■遺伝毒性 (link to CCRIS) In vitro/ in vitro S. typhimurium TA1535及びTA1537株、S. cerevisiae D4株を用いた復帰変異試験において、κとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus)は陰性を示した1) (Brusick, 1975)。 宿主経由復帰変異試験(Litton Bionetics, 1972)及びラットを用いた優性致死試験(Stanford Research Institute, 1972)において、κとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus)はいずれも陰性と報告されているが、実施された試験法は現行の基準に合致していない。追加試験(κとλ混合タイプ、原料C. crispus))の結果は陰性と報告されているが(Mori et al., 1984)、最近実施された試験では一貫した結果が得られていない1) (Sylianco et al., 1993)。 ■がん原性 (link to CCRIS) マウス 1群雌雄各5匹の2系統(詳細不明)のマウスにκとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus又はG. mamillosa) 0、0.1、5、15又は25%含有食を生涯与えたが、異常は認められなかった1)(Nilson & Wagner, 1959)。 ラット 1群雌雄各5匹の2系統(詳細不明)のラットにκとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus) 0、0.1、5、15又は25%含有食を生涯与えた。25%混餌群に肝硬変が認められたが、死亡例は観察されなかった1) (Nilson & Wagner, 1959)。 1群雌雄各30匹のMRCラットにκタイプカラギーナン(原料C. crispus) 0.5、2.5又は5%含有食を与えた。対照群には雌雄各100匹を宛てた。良性の乳腺腫瘍及び精巣腫瘍の発生率の上昇傾向が中用量群に認められたが、統計学的な有意差はなかった1)(Rustia et al., 1980)。 ■生殖発生毒性 (link to DART) ニワトリ カラギーナン1又は5mgを発育鶏卵の卵白又は卵黄嚢に投与し、孵卵した。眼球及び上顎の奇形がカラギーナン投与群に認められたが、溶媒対照群には異常は認められなかった1) (Hwang & Connors, 1974)。 1群240個の発育鶏卵を用い、卵黄嚢にλタイプのカラギーナン0又は0.1mgを投与し、孵卵した。無処置対照群に240個の発育鶏卵を宛てた。カラギーナン投与群に致死率上昇、発育遅延、終脳の変形を主とする奇形の発生率上昇が認められた1) (Rovasio & Monis, 1980).。 530個の発育鶏卵卵黄嚢にλタイプの0.1%カラギーナン0.1mLを投与し、48-50時間孵卵した。対照群には生理食塩水を投与した286個、無処置284個の発育鶏卵を宛てた。カラギーナン投与群に認められた脳及び神経管などの奇形発生率は対照群に比べ有意に高かった4) (Monis et al., 1981)。 λタイプのカラギーナン投与後48時間孵卵した発育鶏卵を病理組織検査した。神経管の閉鎖不全が高率に認められ、神経管周囲に発生する神経堤細胞の欠損あるいは遊走不全が神経管の奇形に関与していることが示唆された3) (Rovasio et al., 1987)。 マウス 1群22-27匹のCD1マウスに妊娠6日から15日までκとλ混合タイプのカラギーナン(ナトリウム塩又はカルシウム塩、原料C. crispus) 0、10、45、470又は900mg/kgを経口投与した。被験物質投与群に吸収胚及び胎児死亡の増加が認められ、生産児数減少、胎児体重の低下、化骨遅延に用量反応性が観察された1) (Food & Drug Research Labs., Inc., 1972a)。 ラット 1群21-27匹のラットに妊娠6日から15日までκとλ混合タイプのカラギーナン(ナトリウム塩又はカルシウム塩、原料C. crispus) 0、40、100、240又は600mg/kgを経口投与した。被験物質投与群に吸収胚率の顕著な増加が認められたが、生産児数に異常はなかった。骨格検査で胸骨分節癒合の発生率上昇が用量反応性に観察され、出産児の低体重が最高用量群に認められた1) (Food & Drug Research Labs., Inc., 1972a, b)。 1群21-24匹のラットにκとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus) 0、1又は5%混合食を妊娠6日から16日まで与え、妊娠20日に殺処分した。母獣及び胎児の生存率、着床率、胎児の発育に被験物質投与に起因する異常は認められず、催奇形性も観察されなかった1) (Food & Drug Research Labs., Inc., 1973)。 1群雌雄各40匹のオズボーンメンデル系ラットにκとλ混合タイプのカラギーナン(カルシウム塩) 0.5、1, 2.5又は5%含有食を親世代ラットに交配12週間前から与え、3世代にわたる次世代試験を実施した。親世代母獣の体重に異常は見られなかった。受胎率、一腹胎児数、出産児数に異常は観察されなかった。出産児の観察では離乳時体重の顕著な低下が用量反応性に、下痢が2.5及び5%混餌群に見られた。第2及び第3世代の胎児観察において、催奇形性は認められなかった1) (Collins et al., 1977a,b)。 SD系ラットにカラギーナンカルシウム塩0.45、0.9又は1.8%混合食を親世代ラットの交配前14日から第1世代の90日齢まで与え、次世代試験を実施した。親世代ラットの生殖能及び出産児の一般行動に異常は認められなかった1) (Vorhees et al., 1979)。 ハムスター 1群23-30匹のハムスターにκとλ混合タイプのカラギーナン(ナトリウム塩又はカルシウム塩、原料C. crispus) 0、40、100、240又は600mg/kgを妊娠6日から10日まで投与した。化骨遅延が用量反応性に認められたが、着床率及び胎児生存率に異常は見られなかった1) (Food & Drug Research Labs., Inc., 1972a, b)。 1群21-25匹のハムスターにκとλ混合タイプのカラギーナン(ナトリウム塩又はカルシウム塩、原料C. crispus) 0、1又は5%含有食を妊娠6日から11日まで与え、妊娠14日に殺処分した。5%カルシウム塩混餌群に妊娠率の低下が見られたが、催奇形性は認められなかった1)(Food & Drug Research Labs., Inc., 1973)。 シリアンハムスターにカラギーナン(ナトリウム塩又はカルシウム塩) 0、10、40、100又は200mg/kgを妊娠6日から10日まで強制経口投与し、妊娠14日に殺処分した。1群動物数は精製カラギーナン投与用に21匹以上、半精製カラギーナン投与用に8匹を宛てた。催奇形性及び胎児毒性は認められなかった1) (Collins et al., 1979)。 ウサギ 1群12-13匹のウサギにκとλ混合タイプのカラギーナン(ナトリウム塩又はカルシウム塩、原料C. crispus) 0、40、100、240又は 600mg/kgを妊娠6日から18日まで強制経口投与した。着床率、母獣及び胎児の生存率、胎児の骨格及び外形に異常は認められなかった1) (Food & Drug Research Labs., Inc., 1972a)。 ■局所刺激性 ウサギ ウサギを用い、ιタイプのカラギーナンの眼及び皮膚刺激性試験を実施した。前者の試験では被験物質投与後に眼球を洗浄した場合、極軽度の刺激性が認められた。後者の試験では被験物質は擦過皮膚に対して極軽度の刺激性を示したが、無傷の皮膚に対して刺激性を示さなかった1) (Weiner, 1991)。 ■その他の毒性 抗原性 モルモットを用いた試験において、ιタイプカラギーナンは皮膚に対する感作性を示さなかった1) (Weiner, 1991)。 その他 F344系ラットの離乳児にκとλ混合タイプの精製カラギーナン0又は15%含有飼料を与え、7週齡からアゾキシメタン(8mg/kgを週1回10週間皮下投与、47週齡で殺処分)又はN-メチルニトロソ尿素(2mgを週2回3週間直腸内投与、37週齡で殺処分)の併用投与による大腸癌誘発試験を実施した。いずれの試験においても、カラギーナン混餌群は対照群より大腸癌発生率が高かった1) (Watanabe et al., 1978)。 κとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus)前処置は、DAラットの脾臓培養細胞に対するPHA刺激反応を抑制した。カラギーナン1-10μg/mLとマクロファージの培養上澄も同様の抑制を示した1) (Bash & Cochrane, 1980)。 κとλ混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus) 0.5-50mg/kgを1回経口投与したLewis系ラットの脾臓及びリンパ節の細胞に対するPHA刺激反応をin vitroで調べた。低用量群では反応の顕著な抑制が認められたが、高用量群では変化はみられなかった。同様の結果がカラギーナン0、0.1又は1mg/mLを飲水投与したDAラットの離乳児において、in vivoでも観察された1) (Bash & Vago, 1980)。 κとλの混合タイプのカラギーナン(原料C. crispus) 5-50mgを離乳から4週間(週5日)投与したDA Ag-B4雄ラットの脾臓細胞、PHA又はCon Aの刺激に対して持続的な抑制を示した。この作用は低用量の方が強かった。リステリア菌に対する宿主抵抗性の低下も認められた1) (Cochran & Baxter, 1984)。 1群12匹のPVG雄ラットにιタイプ(原料E. spinosum)、κタイプ(原料E. cottonii又はC. crispus) 又はλタイプ(原料G. radula)のカラギーナン0.5%含有水を90日間飲水投与した。胆汁又は全身の抗体反応に影響は認められなかったが、腹腔内投与したヒツジ赤血球に対する凝集反応に一過性の低下が観察された。この反応はκタイプの方が弱かった1) (Nicklin & Miller, 1984)。 SD系ラットにιタイプ(原料E. spinosum)又はκタイプ(原料C. crispus)のカラギーナン5%含有飼料を30日間与えた。胆汁中のIgA抗体価には影響が認められなかったが、盲腸細菌に対するIgA結合特異性は両タイプのカラギーナン投与群ともに増加した1) (Mallett et al., 1985)。 ラットの腓腹筋及びヒラメ筋にカラギーナンにより誘発される筋炎の病理組織学的特徴は、毛細血管及び小動脈周囲への多形核白血球の浸潤であった2) (Diehl et al., 1988)。 1群4匹のPVG雄ラットにιタイプのカラギーナン(原料E. spinosum) 0又は0.25%を184日間飲水投与後に、ヒツジ赤血球を腹腔内投与した。被験物質投与群では血清抗体産生の顕著な遅延及び抗体反応の低下が認められた1) (Nicklin et al., 1988)。 1群10匹のWistar系雌ラットにカラギーナン(タイプ及び原料不明) 0又は20%含有飼料を4週間与え、ポリエチレングリコール排泄試験を実施した。ポリエチレングリコール4000の排泄において、カラギーナン投与群と対照群との差はなかったが、ポリエチレングリコール900の排泄遅延が認められた1) (Elsenhans & Caspary, 1989)。 Brown Norway系ラットにιタイプのカラギーナン(原料E. spinosum) 1mgを腹腔内投与下した結果、全身性のアジュバント作用が認められたが、この作用は10mgの経口投与ではみられなかった1) (Coste et al., 1989)。 1群15又は20匹の7週齡F344系雄ラットにκタイプのカラギーナン(原料不明) 6%含有飼料と1,2-dimethyl-hydrazine (20 mg/kg, 週1回16週間皮下投与) の併用投与による16又は24週間の大腸発癌試験を実施した。カラギーナン投与群で結腸起始部の腫瘍数の増加及び腫瘍サイズの増大が認められ(Arakawa et al., 1986)、胆汁酸分泌促進によるプロモータ作用が示唆された(Arakawa et al., 1988)。結腸腫瘍細胞中のN-アセチルノイラミン酸/N-グリコリルノイラミン酸比は周辺組織中の比より高かったが、この比に対するカラギーナン投与の影響は認められなかった1) (Arakawa et al., 1989)。 κとλ混合タイプのカラギーナン(原料Gigartina spp) 5%含有飼料を4週間与えたF344系雄ラットの結腸組織において細胞増殖マーカーであるチミジンキナ-ゼ活性の上昇が報告されているが(Calvert & Reicks, 1988)、0、0.65、1.3又は 2.6%(ヒト最大摂取量の25、50、100倍に相当)含有飼料を用いた追試でも最高用量群で活性の有意な上昇が認められた。病理組織学的検査において、異常は観察されなかった1) (Calvert & Satchithanandam, 1992)。 1群4匹のF344系ラットにιタイプのカラギーナン0.5、1.5又は5%含有飼料を28又は91日間反復投与した結果、5%混餌群で結腸粘膜中チミジンキナーゼ活性の上昇が認められた。28又は64日間の休薬により、結腸陰窩における増殖細胞数の回復性が認められた。0.5及び1.5%群では異常は認められなかった1) (Wilcox et al., 1992)。 F344系雌ラット9匹に、飲料水の代わりにκタイプのカラギーナン10%ゲルを8日間供与した結果、大腸異常腺窩(aberrant crypt foci)は認められなかった1) (Corpet et al., 1997)。 34週齡のF344系雌ラットにアゾキシメタンの腹腔内投与による結腸癌発生に至るイニシエーション処置後、κタイプが主のカラギーナン0.25%溶液又は 2.5%ゲルを飲料として100日間供与した。発癌過程におけるプロモータ作用を大腸異常腺窩(aberrant crypt foci)発生率で評価した結果、カラギーナン投与群で大腸異常腺窩の発生率の上昇が認められた1) (Corpet et al., 1997)。 κタイプのカラギーナン(原料E. cottonii又はG. radula) 0.25%溶液又は2.5%ゲルを飲料として供与したコンベンショナルラット、又はカラギーナンに対して適応性を有するヒトの腸内細菌叢を定着させたノトバイオートラットを用いて、アゾキシメタンによるイニシエーション処置後の結腸における微小腺腫の発生率を比較した。コンベンショナルラットでは発癌促進が認められたが、ノトバイオートラットでは促進は認められなかった1) (Millet et al., 1997)。 ■ヒトにおける知見 (link to HSDB) ■引用文献 1) WHO Food Additive No.42 Carageenan. 1998 (link to WHO DB) 2) Diehl B, Hoheisel U, Mense S. Histological and neurophysiological changes induced by carrageenan in skeletal muscle of cat and rat. Agents Actions. 1988 Dec;25(3-4):210-3. 3) Rovasio RA, Monis B. Carrageenan induces anomalies in the chick embryo. A light microscopic study. Toxicol Pathol. 1987;15(4):444-50. 4) Monis B, Rovasio RA Teratogenic effect of lambda-carrageenan on the chick embryo. Teratology. 1981 Apr;23(2):273-8. |メニューへ| |
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