日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ポリプロピレングリコール2000
英文名 Polypropylene Glycol 2000

CAS 25322-69-4 (link to ChemIDplus)
別名 ポリプロピレングリコール,Polyoxypropylene,PPG
収載公定書  薬添規(JPE2018) 外原規(2006)(ポリプロピレングリコール)
用途 溶解補助剤


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
マウス 腹腔内 3,600mg/kg (PPG2000) Shideman and Procita (1951) 1)
イヌ 静脈内 100mg/kgで
肉眼的変化なし(PPG2000)
Shideman and Procita (1951) 1)


ポリプロピレングリコール2000の主な類似体のLD50
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
ラット 雄 経口 640mg/kg (PPG1200) FDA(1992) 2)
ラット 雄 経口 4.47g/kg (PPG2025) Shaffer et al.(1951) 3)
ラット 雄 腹腔内 9.76g/kg (PPG2025) Shaffer et al.(1951) 3)
ラット 静脈内 0.71g/kg (PPG2025) Shaffer et al.(1951) 3)
ウサギ 経皮 20mL/kg 24時間適用により死亡せず(PPG2025) Shaffer et al.(1951) 3)


反復投与毒性(link to TOXLINE)
ラット
ラット(体重、系統、試験数は不明確)に、0.1〜3%のポリプロピレングリコール2000を100日間経口投与した(50〜1,500mg/kg/dayに相当)。0.1%から1.0%のポリプロピレングリコール2000の濃度では、有害事象は認められなかった。最高用量群では軽度の成長と体重の増加が抑制された。4) (American Industrial Hygiene Association, 1980)

ラット(体重、系統、試験数は不明確)に、275〜501mg/kg/day のポリプロピレングリコール2000を90日間経口投与した。有害な組織病理学的、血液学的、薬理学的な作用は認められなかった。最高用量において有意差は認められないが、体重抑制が観察された。4) (American Industrial Hygiene Association, 1980)

ウサギ
PPG2000を1、5及び10mL/kgをウサギ(体重、動物数不明)に、24時間/日、5日間/週で3ヵ月間反復経皮投与した。1mL/kg群では、PPG2000投与による変化はみられなかった。5及び10mL/kg投与群では軽度の体重増加の抑制が認められた。血液学的検査、臓器重量及び病理学的検査において異常は認めらなかった。4) (American Industrial Hygiene Association, 1980)

イヌ
イヌ(体重、試験数は不明確)に、526〜810mg/kg/day のポリプロピレングリコール2000を90日間経口投与した。有害な組織病理学的、血液学的、薬理学的な作用は認められなかった。最高用量において有意差は認められないが、体重抑制が観察された。4) (American Industrial Hygiene Association, 1980)



以下については該当文献なし
遺伝毒性
がん原性
生殖発生毒性


局所刺激性
ウサギ
ウサギの結膜嚢に過量のポリプロピレングリコール425、1025或いは2025を点眼したところ、各々の検体を投与した5匹中の1又は2匹に痕跡程度の傷が観察されたに過ぎない。ポリプロピレングリコール425、1025或いは2025は、無害な物質として分類された。3)(Shaffer et al.,1951)

ウサギの両眼の結膜嚢に、無希釈のポリプロピレングリコール1200を0.1mL点眼し、片方のみ洗眼した。両眼の結膜刺激、角膜損傷、レンズの損傷などを観察した。殆どの場合、検体は極めて僅かな不快感と痕跡程度の結膜刺激を示した。眼刺激の症状は、点眼後24時間で解消された。2)(FDA、1992)

ウサギの腹部皮膚にポリプロピレングリコール425、1025或いは2025を単回あるいは4時間以内に計8回適用したが、皮膚刺激性は観察されなかった。3)(Shaffer et al.,1951)

無希釈のポリプロピレングリコール1200の皮膚刺激性をウサギ(体重2.3kg)を用いて評価した。検体(1〜2mL)は、胴にテープ留めされた包帯で固定された吸収性の綿によって、無傷の皮膚面と擦り剥いた腹部皮膚面に適用された。適用期間は、無傷面で毎日3日間と擦り剥き面で5日間/週の2週間であった。反復適用(5日間/週)は、外耳の内表皮に行った。無傷面では反応は観察されなかった。擦り剥き面では、僅かに感じられる紅斑と痕跡程度の剥脱が観察された。外耳の内表皮面への反復適用後も皮膚損傷は確認されなかった。2)(FDA、1992)


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見 (link to HSDB)
合計300人が、無希釈のポリプロピレングリコール2000の継続的な反復皮膚適用を受けた。1例も皮膚刺激や過敏症が発現しなかった。4)(American Industrial Hygiene Association, 1980)


引用文献
1)  Shideman FE, Procita L. Some pharmacological action of polypropylene glycols of average molecular weight 400, 750, 1200 and 2000. J. Pharmacol. 1951; 103: 293-305

2)  Food and Drug Administration. Food additive safety profile. Section E. Safety of the food additive Polypropylene Glycol 1200. 1992 Submitted by FDA: FOI request dated 5/4/92

3)  Shaffer CB, Carpenter CP, Critchfield FH, Nair JH, Franke FR. A toxicological study of some polypropylene glycols. AMA Arch. Ind. Hyg. Occup. Med. 1951; 3: 448-453

4) American Industrial Hygiene Association. Workplace environmental exposure level guide.Polypropylene glycols. Am. Ind. Hyg. Assoc. J. 1980; 41: A53-A55





   



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