日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
英文名 Polyoxyethylene Octylphenylether

CAS 9002-93-1 (link to ChemIDplus)
別名 ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(15E.O.)(110365)、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル、Polyethylene octylphenyl ether、Polyethylene octyl phenyl ether、Poly(oxyethylene)octyl phenyl ether、Octoxynol、Octoxinol、Octylphenyl ethoxylate、Polyethylene glycol octylphenyl ether、polyethylene glycol octyl phenyl ether、PEG octyl phenyl ether、PEG octylphenyl ether

収載公定書  薬添規(JPE2018) 粧原基・粧配規(1999)
用途 界面活性剤,乳化剤

JECFAの評価
評価なし


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
吸入時間の記載なし
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
シリアンハムスター 吸入 501μg/肺1 g Johnson 6)
ラット 経口 800〜1600 mg/kg Johnson 6)
マウス 経口 1600mg/kg  Johnson 6)
SCD ラット 経口 1.06 mL/kg Johnson 6)
モルモット 経皮 >20 cc/kg Johnson 6)
ラット 腹腔内 約100 mg/kg Johnson 6)
マウス 腹腔内 約100 mg/kg Johnson 6)



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
二重盲検試験にてマウスの腹腔内に0.2%オクトキシノール9を1日0.2 mL、24日間投与した。対照群には0.2 mLの生理食塩水を投与した群と無処置の群があった。試験群のマウスの白血球数、あるいは腎臓、心臓、肺、胸腺の大きさに対照群との差はなかった。1)(Caren and Brunmeier, 1986)


遺伝毒性 (link to CCRIS)



がん原性
該当文献なし


生殖発生毒性 (link to DART)
ラット
妊娠しているCDラットを1群に25匹ずつ割り付け、トリトンX-100を0%、12.5%、37.5%、100%のいずれかの割合で含む水溶液を4 mg/kg、1日6時間皮膚に密閉塗布し、これを妊娠第6日目〜15日目まで実施した。母動物への影響(皮膚刺激性、妊娠中の体重低下、体重増加)は100%群のみに観察された。妊娠パラメータ(卵巣の黄体数など)に影響はなかった。胎仔にも体重や外部奇形の発生頻度の上昇といった影響はなかった。しかし100%群の胎仔2匹には、過剰な第14胸椎、弓、肋骨が見られ、さらに過剰な第15肋骨が1匹に見られた。また、100%群における骨格の変化は高い頻度発生していた。過剰肋骨は12.5%群と37.5%群にも見られ、胎仔の無気肺も37.5%群および100%群で多く見られた。母動物における無影響量は1日1.6 g/kgであった。仔動物の無影響量は不明である。2) (Leung and Neeper-Bradley, 1996)

胎仔が器官形成期にある妊娠中のCDラットの皮膚に1日530 mg/kg、1600 mg/kg、あるいは4270 mg/kgのオクトキシノール9を塗布するか、または1日70 mg/kgあるいは340 mg/kgのオクトキシノール9を含む飼料を与えた。母動物に生じる毒性に関連した試験項目は臨床観察、体重、臓器の重量、餌の摂取量であった。胎仔については体重および外部、内臓、骨格の異常について検討した。塗布4270 mg/kg群の母動物では皮膚剥離、腰部および頸部から発生する過剰肋骨の形成が見られた。このほかに見られた骨格の異常は、上後頭骨、舌骨、頬骨弓における骨化不良の発生率の低下であった。経口340 mg/kgの母動物から出生した仔動物では、2匹に内臓の異常と睾丸の位置の異常が見られた。また、塗布1600 mg/kg群および塗布4270 mg/kg群の仔動物には無気肺が観察された。3) (Leung and Ballantyne, 1999)

催奇形性を検討する目的で、妊娠しているSD COBS CDラットの膣内に0.5mg/kg(臨床用量の3分の2)または5 mg/kg(臨床用量の6倍)のオクトキシノール9を妊娠第6日目〜15日目の間に連日投与した。対照として無処置群、sham群、媒体のみの投与群が用意された。母体毒性、母動物の生殖パラメータ、胎仔毒性、ならびに外部、内臓、骨格の奇形および発生異常に関しては、処置群と対照群間に有意差が得られなかった。5)(Saad, Kirsch, Kaplan, and Rodwell, 1984)


局所刺激性
該当文献なし


その他の毒性
抗原性
モルモットを使った皮膚光感作性試験では、陰性コントロールとしてポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが検討された。この試験の条件下で、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルに軽度の刺激性があることがわかった。4)(Buehler and Newmann, 1985)

二重盲検試験にてマウスの腹腔内に0.2%オクトキシノール9を1日0.2 mL、24日間投与した。マウスをヒツジの赤血球で2回免疫感作し、尾から血液を採取した。対照群には0.2 mLの生理食塩水を投与した群と無処置の群があった。試験群のマウスの白血球数、あるいは腎臓、心臓、肺、胸腺の大きさに対照群との差はなかった。投与後16日に検査した血清中の免疫グロブリンGおよび免疫グロブリンMは無処置の対照群よりも高かった。1) (Caren and Brunmeier, 1986)

その他
ラットを用い、小腸に生じる傷害について検討した。ラットの腸にトリトンX-100を還流し、腸管腔における乳酸脱水素酵素(LDH)と粘膜の放出を調査した。対照群には生理食塩水を還流した。LDHの放出率は、トリトンX-100群の空腸および結腸のほうが対照群よりも高かった。粘膜の放出率は、トリトンX-100群のほうが対照群よりも高かったが、有意差は得られなかった。また、トリトンX-100で還流したのちに生理食塩水で還流すると、粘膜およびLDHの放出率が投与前値に戻った。組織学的傷害は、LDHおよび粘膜の放出率に比例していた。7)(Oberle et al., 1995)


ヒトにおける知見
該当文献なし


引用文献
1) Caren LD, Brunmeier V. Polyethylene glycol nonylphenyl ether. Toxicol Lett. 1987; 35 (2-3): 277-84

2) Leung HW, Neeper-Bradley TL. Developmental toxicity of Triton X-100 by cutaneous dosing of CD rats. Toxicologist. 1996 Mar; 30(1 Pt 2): 191

3) Leung HW, Ballantyne B. Developmental toxicity evaluation of rats dosed orally or cutaneously with octoxynol-9. Journal of Applied Toxicology. 1999; 19(4). 267-273

4) Buehler EV, Newmann EA, Parker RD. Use of the occlusive patch to evaluate the photosensitive properties of chemicals in guinea-pigs. Food Chem Toxicol. 1985 Jul; 23(7): 689-94

5) Saad DJ, Kirsch RM, Kaplan LL, Rodwell DE. Teratology of intravaginally administered contraceptive jelly containing octoxynol-9 in rats. Teratology. 1984 Aug; 30(1): 25-30

6) Johnson W. Jr. Final report on the safety assessment of octoxynol-1, octoxynol-3, octoxynol-5, octoxynol-6, octoxynol-7, octoxynol-8, octoxynol-9, octoxynol-10, octoxynol-11, octoxynol-12, octoxynol-13, octoxynol-16, octoxynol-20, octoxynol-25, octoxynol-30, octoxynol-33, octoxynol-40, octoxynol-70, octoxynol-9 carboxylic acid, octoxynol-20 carboxylic acid, potassium octoxynol-12 phosphate, sodium octoxynol-2 ethane sulfonate, sodium octoxynol-2-sulfate, sodium octoxynol-6 sulfate, and sodium octoxynol-9 sulfate. Int J Toxicol. 2004; 23 Suppl 1: 59-111.

7) Oberle RL, Moore TJ, Krummel DA. Evaluation of mucosal damage of surfactants in rat jejunum and colon. J Pharmacol Toxicol Methods. 1995 Apr; 33(2): 75-81




   



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