日本医薬品添加剤協会 |
和名 パラオキシ安息香酸エチル 英文名 Ethyl p-Hydroxybenzoate CAS 120-47-8 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB) 別名 収載公定書 局方(JP17), 食添(JSFA-IX),USP/NF(27/22),EP(4) 用途 安定(化)剤,防腐剤,保存剤 ■JECFAの評価 (link to JECFA) ADI 0-10mg/kg b.w.(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチルのグループADI) パラオキシ安息香酸エステル類については1961,1965年に開催されたJECFA おいて評価され、ADIはパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルエステルを含むグループADIとして0-10mg/kg b.w.と定められた。 しかし、第67回(2006年)の再評価結果、パラオキシ安息香酸プロピルエステルが削除され、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチルのグループADIに変更となった。 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
犬及びウサギにおいては、5g/kgが致死量で、4g/kgで有害な影響を及ぼした。(Schubel & Mnger, 1929) ■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット1) パラオキシ安息香酸エチル40%、パラオキシ安息香酸プロピル60%の混合物(いづれもナトリウム塩にして投与)を、15mg/kg体重を40匹のラットに、150mg/kg体重を20匹のラットに、1,500 mg/kg体重を20匹のラットにそれぞれ18ヶ月、混餌投与した。 15mg/kg体重、150mg/kg体重投与群で体重増加率の上昇が認められた。 1,500 mg/kg体重投与群においては、実験開始初期に体重増加率の抑制が観察されたが、後期には正常に戻った。全ての投与群において、死亡率、主要臓器の病理学的検査所見は対照群に比較し異常は認められなかった(Anon, 1940; Anon, 1942)。 1群65匹のラット(雄35匹、雌30匹)にパラオキシ安息香酸エチルを2%添加した餌を一生涯投与した。 対象群には50匹のラットを用いた。 死亡した動物は全て剖検した。実験開始1ヶ月後に観察された僅かな体重増加抑制を除き、パラオキシ安息香酸エチル投与による悪影響は認められなかった。死亡率、血液学的検査、主要臓器における腫瘍発生率及び組織病理学的検査結果は、対照群と比較し異常は認められなかった(Truhaut, 1962b)。 1群39匹のラット(雄19匹、雌20匹)に、10%パラオキシ安息香酸エチルのナトリウム水溶液を1ml/週、一生涯投与した。対照群として27匹のラット(雄16匹、雌11匹)に、3%食塩水を1ml/週、同期間投与した。10%パラオキシ安息香酸エチルのナトリウム水溶液はpHが高く刺激性が強いため、実験開始後4〜10ヶ月で投与期間を1回/週から1回/2週に減らし、更に、実験後期には1回/月の投与に減少せざるを得なかった。投与による死亡率への影響や腫瘍の発生も認められなかった(Truhaut, 1962)。 ■遺伝毒性 微生物突然変異試験 (−) 染色体異常誘発試験 ハムスターSCEs* (−) 人 SCEs* (−) * SCE:姉妹染色体分体交換 ■がん原性 該当文献なし ■生殖発生毒性 (link to DART) ■局所刺激性 ウサギ パラオキシ安息香酸エチルの0.5%及び7.5%の懸濁液は、コカイン塩酸塩0.12及び0.27%液と同様に、角膜に対する局所麻酔作用を示した。この局所麻酔作用の強さはコカインの3分の1から4分の1程度であり、プロカインの2分の1程度であった(Truhaut, 1962a)。 同様の試験で、0.25−0.30%濃度のパラオキシ安息香酸エチル、メチル、プロピル、ブチルエステルは角膜に対する麻酔作用は認められなかった。 ■その他の毒性 該当文献なし ■ヒトにおける知見 (link to HSDB) 7%パラオキシ安息香酸エチルのプロピレングリコール溶液を50人の皮膚に隔日4−8時間おきに10回塗布したが、炎症或いは感受性は認められなかった。しかし、濃度を上げると炎症が認められるようになった。0.05%溶液では頬粘膜に局所の麻痺作用が認められた(Bubnoff et al., 1957)。 ■参考文献 小児(link to STEP database;要Login) 1) WHO Food Additives Series No. 5 (1974) 2) 第7版 食品添加物公定書解説書 (1999) |メニューへ| |
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