日本医薬品添加剤協会 |
和名 ヒプロメロースフタル酸工ステル 英文名 Hypromellose phthalate CAS 9050-31-1 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB) 別名 Hydroxypropylmethylcellulose Phthalate,Cellulose phthalate hydroxypropyl methyl ether, 2-hydroxypropyl methylcellulose phthalate,ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 収載公定書 局方(JP17) ,USP/NF(26/21) EP(4) 用途 結合剤,コーティング剤,賦形剤 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus),
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット 一群雌雄各10匹のウィスター系ラットに、8gのヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)を1.5%の重曹(炭酸水素ナトリウム)溶液100mLに溶解したものを体重100g当り1.63mL(1.3g/kg)、2.45mL(2.0g/kg)、3.68mL(3.0g/kg)、5.52mL(4.5g/kg)又は12.5mL(10.0g/kg)、1日1回30日間経口投与した(最高用量群は1日用量を2回に分割して投与)。対照群にはそれぞれの用量の溶解液のみを同様に投与した。4.5g/kg以下の投与群では一般行動等には異常は見られなかったが、最高用量の10g/kg群ではその対照群(12.5mL/100g)を含めて投与後に下痢、運動失調が認められ、徐々に削痩してHPMCP投与群では10日以内に、その対照群では16日以内に全例死亡した。30日後の血液学的及び尿検査、臓器重量、病理組織検査等の観点からは異常所見はなく、HPMCPは著しい毒性を示さなかった。1) (Kitagawa et al., 1970) 一群雌雄各10匹のウィスター系ラットに、8gのHPMCPを1.5%の重曹(炭酸水素ナトリウム)溶液100mLに溶解したものを体重100g当り1.88mL(1.5g/kg)、3.75mL(3.0g/kg)又は7.50mL(6.0g/kg)、1日1回6ヶ月間経口投与した(最高用量群は1日用量を2回に分割して投与)。対照群にはそれぞれの用量の溶解液のみを同様に投与した。一般行動、体重増加、臓器重量、血液学的及び尿検査、病理組織学的検査に異常は見られず、HPMCPは6ヶ月間の経口投与による毒性実験でも著しい毒性を示さなかった。2)(Kitagawa et al., 1973) ■遺伝毒性 該当文献なし ■がん原性 ラット 該当文献なし ■生殖発生毒性 マウス ddN系妊娠マウスを用い、1.5%重曹液に懸濁したHPMCPを20mg/kg(0.2%、0.1mL/10gBW)、200mg/kg(2%、0.1mL/10gBW)又は4000mg/kg(8%、0.5mL/10gBW)を妊娠7日から12日の期間、1日1回胃ゾンデを用いて経口投与した。対照群には生理食塩水10mL/kgを同様に投与した。妊娠18日目に一部のマウスを頚椎脱臼により致死せしめ、着床数、死亡胚数を調べ、胎仔は体重、性別及び外形、内部器官を観察した。残りのマウスについては自然分娩させ、生仔の発育状態を観察し21日目に母仔の内部諸臓器を観察した。妊娠母体の体重は最高用量群で妊娠8及び12日に減少を示したが、斃死例、流産も認められなかった。着床数、死亡胚数、平均生仔数、性比、生仔平均体重等には特記すべき変化はなく、外形異常もなかった。骨格では通常見られる変異が対照群を含め散見されたが頻度は低く自然発生的なものであった。育生仔には特記すべき異常は認められなかった。3) (Itoh & Toida, 1972) ラット ドンリュウ系妊娠ラットを用い、1.5%重曹液に懸濁したHPMCPを20mg/kg(0.2%、1mL/100gBW)、200mg/kg(2%、1mL/100gBW)又は2400mg/kg(8%、3mL/100gBW)を妊娠9日から14日の期間、1日1回胃ゾンデを用いて経口投与した。対照群には生理食塩水10mL/kgを同様に投与した。妊娠20日目に一部のラットをエーテルにて薬殺し、着床数、死亡胚数を調べ、胎仔は体重、性別及び外形、内部器官を観察した。残りのラットについては自然分娩させ、生仔の発育状態を観察し21日目に母仔共にエーテルにて薬殺し内部諸臓器を観察した。妊娠母体の体重には異常なく、斃死例、流産も認められなかった。着床数、死亡胚数、平均生仔数、性比、生仔平均体重にも特記すべき変化はなかった。外形異常はなかった。大量投与群では化骨遅延化傾向が認められたが有意な変化ではなかった。また、胸骨を中心とした変異が対照群を含め散見されたが頻度は低く、自然発生的なものであった。育生仔には何ら異常は認められなかった。3) (Itoh & Toida, 1972) 以下については該当文献なし ■局所刺激性 ■その他の毒性 ■ヒトにおける知見 ■引用文献 1) Kitagawa H, Kawana H, satoh H, Fukuda Y. Acute and subacute toxicities of hydroxypropyl methylcellulose phthalate. Pharmacometrics 1970; 4: 1017-25 2) Kitagawa H, Yano H, Fukuda Y. Chronic toxicity of hydroxypropylmethylcellulose phthalate in rats. Pharmacometrics 1973; 7: 689-701 3) Itoh R, Toida S. Studies on the Teratogenicity of a New Enteric Coating Material, Hydroxypropyl Methylcellulose Phthalate(HPMCP) in Rats and Mice. J Med Soc Toho-Univ 1972; 19: 453-61 |メニューへ| |
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