日本医薬品添加剤協会 |
和名 ベンゾトリアゾール 英文名 Benzotriazole CAS 95-14-7 (link to ChemIDplus) 別名 アジミドベンゼン、1H-Benzotriazole、1,2,3-Triazaindene、1,2,3-benzotriazole、Azimidobenzene、Cobratec #99、U-6233 収載公定書 薬添規(JPE2018) 用途 抗酸化剤 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
マウス マウスにおけるベンゾトリアゾールの経口毒性は中等度であった。1) (BIBRA working group, 1995) ラット ラットにおけるベンゾトリアゾールの経口毒性は中等度であった。1) (BIBRA working group, 1995) ラットにおけるベンゾトリアゾールの単回吸入毒性は中等度から高度であった。ラットの気管と肺が影響を受けていた。1) (BIBRA working group, 1995) 急性吸入毒性を検討するために雄のSD系ラットを10匹ずつ5群に割り付けた。ベンゾトリアゾールを0.78、1.46、2.03、2.71 mg/Lの濃度で3時間にわたって単回投与した。全群に死亡したラットが認められた。臨床症状として、呼吸促迫を伴う大きな腹式呼吸が見られた。肉眼的剖検では、気管に多量に蓄積した白い泡状の液体と、肺における中等度から重度の濃赤色の出血箇所が認められた。3)(Huntingdon Research Center, 1989) 急性経口毒性を検討するために雄のalbino Greenacresラットを5群に割り付けた。ベンゾトリアゾールの10%懸濁液を46.4、100、215 mg/kgの濃度で、50%懸濁液を464、1000、2150 mg/kgの濃度で強制経口投与した。投与後14日以内に1000 mg/kg群の4匹と2150 mg/kg群の4匹が死亡したが、10%懸濁液を投与した群で死亡したラットはいなかった。臨床症状として、正向反射および台乗せ反射の低下が46.4、100、215 mg/kg群に見られた。高用量群には正向反射および台乗せ反射の低下、無痛覚、浅呼吸、死亡が見られた。肉眼的剖検では、四肢の蒼白、肺、腎臓、副腎の軽度から中等度の充血、小腸の軽度な炎症が認められた。4) (Hill Top Research Inc, 1989) 急性経口毒性を検討するために、4群に雌雄のラットを5匹ずつ割り付けた。Cobratec #99を強制的に単回経口投与した。投与量は398、502、632、795 mg/kgであった。死亡したラットは、502 mg/kg群で4匹、632 mg/kg群で7匹、795 mg/kg群では10匹すべてであった。5) (Huntingdon Research Center, 1989) モルモット モルモットにおけるベンゾトリアゾールの経口毒性は中等度であった。1) (BIBRA working group, 1995) ウサギ ウサギにおけるベンゾトリアゾールの経皮毒性は低かった。1) (BIBRA working group, 1995) ■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ■遺伝毒性 (link to CCRIS) ■がん原性 (link to CCRIS) 長期にわたる経口毒性試験ではラットとマウスの内臓に細胞への影響が見られたが、癌原生に関しては結論が出なかった。1) (BIBRA working group, 1995) ■生殖発生毒性 ラット ラットの胎児はベンゾトリアゾールにより死亡し、卵巣は変化を来たした。1) (BIBRA working group, 1995) 8匹のアルビノラットを用いて卵巣機能と胎児について検討した。ベンゾトリアゾールは4か月にわたって経口投与した。生殖腺を刺激する作用の閾値は、ベンゾトリアゾールが女性生殖腺に及ぼす特異的な毒性作用の指標すべての閾値より低かった。6) (Paustovskaya, et al, 1981) ■局所刺激性 モルモット モルモットの皮膚にベンゾトリアゾールの弱い刺激性が認められた。1) (BIBRA working group, 1995) ピルブライトホワイト系(Pirbright white)モルモットを用い、精製された1Hベンゾトリアゾールと市販用1Hベンゾトリアゾールのoptimization testとmaximization testを行って皮膚感作性を検討した。対照はベンゾトリアゾールの媒体とした。Optimization testでは0.1%で皮内を惹起および感作し、表皮は30%で感作した。Maximization testでは皮内を1%で惹起し、表皮を30%で惹起、30%で感作した。Optimization testにて皮内を感作したのちに、試験群と対照群に不特定の反応がいくつか見られた。Maximization testで精製されたベンゾトリアゾールによる皮膚感作性を調べたが、反応を示すモルモットはなかった。また、maximization testで市販用ベンゾトリアゾールを用いて表皮を感作したところ、20匹中3匹に軽度の紅斑が見られた。3) (Maurer et al., 1984) ウサギ ベンゾトリアゾールはウサギの眼に重度の刺激性を示した。1) (BIBRA working group, 1995) ■その他の毒性 該当文献なし ■ヒトにおける知見 (link to HSDB) ■引用文献 1) BIBRA working group. Benzotriazole. Toxicity profile. BIBRA Toxicology International 6 p, 1995 2) Huntingdon Research Center. Evaluation of the Three-Hour LC50 of Aerosolized Benzotriazole (Final Report) with Attachments and Cover Letter Dated 061289. EPA/OTS; Doc #86-890000598. 1989 3) Maurer T, Meier F. Sensitization Potential of Benzotriazole. Contact Dermatitis. 1984; 10(3): 163-165 4) Hill Top Research Inc. Acute Oral Administration of Benzotriazole to Rats with Cover Letter Dated 061289. EPA/OTS; Doc #86-890000592. 1989 5) Huntingdon Research Center. Acute Oral LD50 Investigation in Rats of Cobratec #99 with Cover Letter Dated 061289. EPA/OTS; Doc #86-890000593. 1989 6) Paustovskaya VV, Torbin VF, Korolenko TK, Okhota IN, Didenko MN, Zdanovich IE. Late sequelae of metal corrosion inhibitors. VRACH DELO. 1981; 0(11) (RECD. 1982): 100-103 |メニューへ| |
Japan Pharmaceutical Excipients Council |