和名 イソシアヌール酸
英文名 Isocyanuric acid
CAS 108-80-5
(link to
ChemIDplus)
別名
Cyanuric acid
収載公定書 薬添規(
JPE2018)
用途 安定(化)剤
■JECFAの評価
■単回投与毒性
(link to
ChemIDplus)
動物種
|
投与経路
|
LD50
|
文献
|
ラット
|
経口
|
10000mg/kg
|
1)
|
ウサギ
|
皮膚
|
7940mg/kg
|
1)
|
■反復投与毒性 (link to
TOXLINE)
シアヌール酸ナトリウム 2000〜2200 mg/kg/day をB6C3F1マウスに、また500〜700
mg/kg/dayを CDラットにそれぞれ飲水投与した。マウスおよびラットの雄に膀胱上皮細胞の過形成に伴う膀胱結石がみられた。
1)
シアヌール酸ナトリウム 500〜6000 mg/kg/dayをB6C3F1マウスおよびF334ラットに、14週間経口投与した。マウスおよびラットともに一般症状、肉眼的および病理組織学的所見に異常は認められなかった。
1)
■遺伝毒性 (link to
CCRIS)
復帰突然変異試験
シアヌール酸ナトリウム 10000 μg/plateまでの濃度でネズミチフス菌TA98,
TA100, TA1535およびTA1537を用いて復帰突然変異試験を実施した。その結果、代謝活性化の有無にかかわらず全ての菌株で陰性であった。1)
マウスリンフォーマTK試験
シアヌール酸ナトリウム 2000 μg/mLまでの濃度でL5178Y細胞を用いてマウスリンフォーマTK試験を実施した。その結果、代謝活性化の有無にかかわらず陰性であった。1)
姉妹染色分体交換試験
シアヌール酸ナトリウム 1500 μg/mLまでの濃度でチャイニーズ・ハムスター卵巣由来細胞(CHO)を用いて姉妹染色分体交換頻度試験を実施した。その結果、代謝活性化の有無にかかわらず陰性であった。1)
ラット骨髄染色体異常試験
シアヌール酸ナトリウム 5000 mg/kgまでの用量をラットに経口単回投与し、24および48時間後に骨髄細胞を採取して、染色体異常誘発性を検討した。その結果、陰性であった。1)
■がん原性
マウス
シアヌール酸ナトリウムを100,
400, 1200および5375 ppm濃度でB6C3F1マウス群雌雄各80〜100匹に2年間飲水投与した。18ヶ月までは5375
ppm群の雌で若干の体重減少、尿中ナトリウム量の増加、ナトリウム対照群での尿中ナトリウム量の増加以外には、投与に起因した死亡、臨床パラメータ、病理組織学的変化はみられなかった。1)
ラット
シアヌール酸ナトリウムを400, 1200, 2400および5375 ppmの濃度でCDラット1群雌雄各80〜100匹に2年間飲水投与した。コントロール群には水道水または馬尿酸ナトリウム水(ナトリウムイオン濃度を5375
ppm群と同等に調整)を投与した。投与後12ヶ月において5375 ppm群の雄で100例中13例の死亡がみられた(主に泌尿器系の結石)。後半の12ヶ月では、投薬に関連した死亡はみられず、肉眼的および病理組織学的変化も認められなかった。体重、摂餌量、臨床パラメータの変化もなかった。腫瘍の発生頻度は、死亡データとは一致せず、シアヌール酸ナトリウムは、ラットの雌雄に対して、発癌性はないと結論づけた。
無毒性量は、
前半の12ヶ月で2400 ppm (平均摂取量:雄 154 mg/kg/day, 雌 266
mg/kg/day)、
後半の12ヶ月では5375 ppm (平均摂取量:雄 371 mg/kg/day, 雌 634
mg/kg/day) であった。1)
■生殖発生毒性 (link to
DART)
催奇形性試験
ラット
シアヌール酸ナトリウム 200, 1000および5000 mg/kg/dayをCDラット1群25匹に妊娠6〜15日の間、経口投与した。対照群として溶媒対照群、4%
カルボキシメチルセルロース、無処置群(水を投与)および馬尿酸ナトリウム群(ナトリウムイオン濃度を1000および5000 mg/kg/dayと同等に調整した2群)を設定した。溶媒対照群、無処置群、シアヌール酸群および馬尿酸ナトリウム群では、死亡率、体重変化および有害作用に差は見られなかったが、高馬尿酸ナトリウム群で11匹の死亡例がみられ、胎児の肋骨湾曲が増加した。胎児試験の結果より、シアヌール酸ナトリウムはラットで胎児毒性または催奇形性を示さなかった。1)
ウサギ
シアヌール酸ナトリウム 50, 200および500 mg/kg/dayをDutch-beltedウサギ1群9〜10匹(対照群および高用量群は20〜21匹)の妊娠6〜18日の間、経口投与した。対照群には水を20
mL/kg投与した。試験実施中に薬物投与に起因した死亡および有害作用は観察されなかったが、投与期間中、200および500
mg/kg/day群で軽度の体重減少がみられた。しかし、投与終了18日後には体重は増加していた。胎児毒性は妊娠28日目までみられなかったが、500
mg/kg/day群で胎児の体重および頭殿長が対照群と比較してわずかに減少した(背景データの範囲内)。胎児に奇形または骨格異常はみられなかった。1)
3世代試験
生殖能を評価するためにシアヌール酸ナトリウム 400, 1200および5375 ppmをCDラットの雄12匹および雌24匹に飲水投与した。対照群には水道水または馬尿酸ナトリウム水(ナトリウムイオン濃度を高用量群と同等に調整)を投与した。投与は36日齢から交配まで最低100日間とした。体重および摂餌量に変化はみられなかった。妊娠期間、同腹胎児数、離乳期までの生存率、性比、胎児体重における交配能には変化はみられず、生殖能への影響はみられなかった。5375
ppmの雄で上皮細胞の過形成や慢性膀胱炎に伴う結石がみられた以外は、臓器重量や病理所見に変化はみられなかった。シアヌール酸ナトリウムは3世代試験において生殖毒性を示さなかった。1)
■局所刺激性
該当文献なし
■その他の毒性
該当文献なし
■ヒトにおける知見 (link to
HSDB)
■参考文献
OECD database (link to
SIDS)
1) Environ. Health Perspect. 1986; 69:
287-92
(link to
the Journal)
■Abbreviation
ChemIDplus; ChemIDplus DB in TOXNET,
CCRIS;Chemical
Carcinogenesis Research Information System ,
DART;
Developmental Toxicology Literature
|メニューへ|