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和名 インジゴカルミン 英文名 Indigocarmine CAS 860-22-0 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB) 別名 食用青色2号(102385)、Food Blue No.2、FD & C Blue No.2 収載公定書 局方(JP17) ,食添(JSFA-IX) USP/NF(28/23) 用途 着色剤 ■JECFAの評価 (link to JECFA) 0-5mg/kg bw (Summary of Evaluation Performed by the Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives(1974) ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) マウス マウスに本色素2.5mgを1%水溶液として週1回ずつ104週間皮下注射した。多く のマウスが注射後急性中毒症状である痙攣により死亡し、生存例では各種腫瘍の散発がみられたが、対照群(生理食塩水)との間に差を認めることは出来なかった。2) (Hansen, 1964) 1群雌雄各30匹のマウスに0.2、0.4、0.8又は1.6%含有飼料を80週間与えた。対照群には雌雄各60匹を用いた。死亡率、体重増加、臓器重量及び病理組織所見には腫瘍発生頻度を含め毒性は認められなかった。3) (Hooson et al., 1975) 1群雌雄60匹のCD-1マウスに0.5、1.5又は5.0%含有飼料を最大23ヶ月まで与え、毒性は全く認められなかった。2) (Borzelleca et al., 1985) ラット ラットに250mg/kgずつ1日2回3日間皮下注射し、4日目に屠殺したところ、体重の減少がみられたが子宮重量に変化はなかった。2) (Graham and Allmark, 1959) 1群雌雄各24匹のOsborne-Mendel系ラットに本剤の0.5、1、2又は5%含有飼料を2年間与えた。雄の2%及び5%群で成長抑制が見られたが、生存率、3、11、17及び22ヶ月目に行った血液学的検査、及び最終時の病理学的検査における臓器重量のいずれにも検体投与の影響は見られず、また病理組織学的所見においても検体に起因する変化は認められなかった。2)(Hansen, 1964) 1群雌雄各60匹のCDラット(F0)に、本剤の0、0.5、1.0、2.0%含有飼料を交配2ヶ月前から与え、得られた動物(F1)を用い、雌雄1群各70匹に同様の投与量で最高30ヶ月まで投与した。毒性及び発癌性は認められず、わずかに投与量に依存した摂餌量の増加が認められた。2) (Borzelleca et al., 1985) イヌ 6ヶ月齢のビーグル犬10匹を用い、雌雄各2匹を1群として本剤の1及び2%含有飼料を与え、対照群には雌雄各1匹を用いて2年間の実験を行った。19週で2%群の2匹が死亡したので、この2匹と対照群に1匹の動物を補充した。2年の間に2%群の4匹が死亡し、1%群の1匹が死に瀕して切迫屠殺し、剖検を行ったが、これらの死亡は全て偶発的なウイルス感染によるものと考えられ、検体投与によると考えられる変化は臨床症状、臓器の肉眼的ならびに組織学的所見のいずれにも認められなかった。前記ウイルス感染による死亡のため、本動物における無作用量を決めることは出来なかった。2)(Hansen, 1964) ブタ 生後10週齢の同腹のブタを用い、1群雌雄各3匹に本剤の0、150、450又は1350mg/kg/dayを混餌投与により90日間与えた。成長、尿検査及び血液化学検査、臓器重量には異常は見られなかった。1350mg/kg群の雄3匹中の2匹においては、45及び90日後に血中ヘモグロビン量及び赤血球数の軽度の減少がみられた。病理組織学的検査では150mg/kg群の雄1匹に肝膿瘍が認められたが、投与に起因するものではなかった。これらの結果から本剤の無影響量は450mg/kg/dayと考えられた。従って、英国での本剤のヒトでの摂取許容量は0-17mg/kg/dayと推定される。5)(Gaunt et al., 1969) ■遺伝毒性 (link to CCRIS), (link to GENE-TOX) E..Coli培地に食用青色2号を0.5g/100mLの濃度で添加培養したが、突然変異を発 現する作用は見られなかった。2) (Lueck and Rickerl, 1960) ラットの優性致死試験では陰性であったが、マウスのin vivo試験で染色体異常が、 哺乳類の培養細胞を用いた試験では変異原性が認められた。2) (BIBRA-working- group, 1995) ■がん原性 (link to CCRIS) ラットを用い、はじめに2%水溶液1mL、その後0.5%溶液0.5mLずつを7ヶ月の間に55 回皮下注射し、その後生涯にわたって観察した。局所には腫瘍発生を認めず、1例の腋窩に腫瘍発生を認めた。2) (Oettel et al., 1965) 80匹のOsborne-Mendel系ラットに本剤の20mgを2%水溶液として週1回、対照群 は100匹のラットに生理食塩水を週1回2年間にわたり皮下注射した。対照群では1例の注射部位に線維腫が見られたのに対し、実験群では14例に線維肉腫が見られ、そのうちの2例では転移が認められた。またC3H及びC57BL系マウスの各50匹に2.5mgを1%液として週1回、対照群には各50匹のマウスに生理食塩水を週1回皮下注射してラットと同様な実験を行ったところ、11-102週の間に本剤注射直後に痙攣を起こして死亡するものがC3Hマウスでは14%、C57BLマウスでは34%に見られ、有意の死亡率増加があったが、腫瘍発生については検体投与による影響は認められなかった。2) (Hansen, 1964) ■生殖発生毒性 (link to DART) ラットでは1群20匹のCD系妊娠ラットを用い、0.5%メトセル(対照群)、レチノイン酸(陽性対照)7.5mg/kg/day又は本剤の25、75、250mg/kg/dayを妊娠6-15日の間、胃ゾンデを用いて経口投与した。ウサギでは1群10匹の妊娠Dutchウサギを用い、0.5%メトセル(対照群)、サリドマイド(陽性対照)150mg/kg/day又は本剤の25、75、250mg/kg/dayを妊娠6-18日の間、胃カテーテルを用いて経口投与した。いずれにおいても検体投与に関連した一定の有意な毒性は観察されなかった。胎仔の異常は双方の陽性対照で認められたが、本剤はラット、ウサギの両動物種において催奇形性及び発育毒性を示さなかった。4) (Borzelleca et al., 1987) ■局所刺激性 該当文献なし ■その他の毒性 該当文献なし ■ヒトにおける知見 (link to HSDB) ■引用文献 1) 医薬品添物ハンドブック、監修;永井恒司、薬事日報社、2001年pp76 2) 食品添加物公定書解説書 第7版、監修;鈴木郁生、野島庄七、谷村顕雄、廣川書店、1999年ppD-784 3) Food Cosmet. Toxicol. 1975; 13; 167-76 (link to PubMed) 4) Food Chem. Toxicol. 1987; 25; 495-7 (link to PubMed) 5) Food Cosmet. Toxicol. 1969; 7; 17-24 (link to PubMed) ■Abbreviation ChemIDplus; ChemIDplus DB in TOXNET, CCRIS;Chemical Carcinogenesis Research Information System , DART; Developmental Toxicology Literature |メニューへ| |
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