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和名 アジピン酸ジイソプロピル 英文名 Diisopropyl Adipate CAS 6938-94-9 (link to ChemIDplus) 別名 アジピン酸ジイソプロパノール、Adipic acid, diisopropyl ester 収載公定書 薬添規(JPE2018) 外原規(2006) 用途 基剤,溶剤,溶解剤,溶解補助剤 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) 以下については該当文献なし ■遺伝毒性 ■がん原性 ■生殖発生毒性 ■局所刺激性 白色ウサギ1群6例にアジピン酸ジイソプロピル原液 2ロットそれぞれ 0.1 mLを片眼に点眼し,7日間刺激性について評点をつけた。1ロットでは,投与1日目に無視できる程度の刺激性(negligible irritation)が認められたが,2日目には消失していた。他方のロットでは刺激性はみられなかった。1) (CTFA 1973) ウサギの皮膚にアジピン酸ジイソプロピル原液 0.1 mLを24時間曝露させた結果、軽度な刺激性(mild irritaint)とみなされた。1) (CTFA 1973) 白色モルモット6例を0.10%アジピン酸ジイソプロピル水溶液に下半身を浸潤させて37℃4時間保持した。3日間反復した後,48時間目に腹部の皮膚の刺激性について評点をつけた。一般状態に毒性徴候は認められなかった。刺激性については,2例で"first hint of scaling"が認められたことから,わずかな刺激性(minimal)とみなされた。CTFA 1978 1) 白色ウサギを用いてアジピン酸ジイソプロピル原液 3ロットの皮膚一次刺激試験をDraize法に従って実施した。0.1 mL原液を剃毛した背部皮膚に24時間貼付した。刺激性の評点は最初のロットは1.6,2番目のロットは1.3であり,総合すると軽度な刺激性(mild irritant)とみなされた。3番目のロットは刺激性は認められなかったが,1例僅かに判別できる紅斑が認められ,評点は0.06であることから,わずかな刺激性(minimally irritating )とみなされた。1) (CTFA 1973 & 1978) アジピン酸ジイソプロピルを1.1%含有する香水を用いて皮膚一次光刺激性試験を実施した。NewZealand whiteウサギの背部を剃毛し,香水原液200 mgをガーゼパッチに含ませ貼付した。陽性対照群含めて貼付2時間後に一側のパッチを開放して,波長320-420 nmに15分間曝露した。その後,パッチを閉塞貼付した。最初の貼付より48時間後にパッチは除去した。除去後1時間目からDraize法に基づいて,刺激性を評価した。96時間目まで観察したが,評点は0で,光刺激性は認められなかった。1) (FDRL 1980) ■その他の毒性 抗原性 0.7%アジピン酸ジイソプロピルを含む顔用クリームの接触感作能について,〔マキシミゼーション法〕を用いて調べた。被験物質は掌側前腕あるいは背部皮膚に48時間閉塞パッチを行った。惹起のため,2.5%ラウリル硫酸ナトリウムで処理した試料を24時間目閉塞パッチした。皮膚反応の評価は惹起パッチを除去直後と24時間後に実施した。その結果,接触感作能はないとみなされた。1) (IRL 1976) ■ヒトにおける知見 アジピン酸ジイソプロピル原液及び顔用クリームについて,21日間累積刺激試験を男女16名を用いて実施した。原液では6回(6日目)までは,刺激性はいずれにも認められなかった。その後は,紅斑,丘疹を伴う刺激性が観察された。その結果,中等度の刺激性(moderately irritating)と判断された。一方,クリームは非刺激性(nonirritating)とみなされた。1) (HTR 1976) アジピン酸ジイソプロピルを0.7%含有する顔用クリームについてSchwartz-Peck光パッチ試験を98名について実施した。UV光照射48時間後の局所には反応は認められず,クリームは一次刺激性もなく,光感作性もなかった。RTL 1976 1) アジピン酸ジイソプロピルを3%含有する日焼クリームについて,光アレルギー試験を50名を用いて実施した。その結果,皮膚に反応は認められず,光アレルギー感作性はないと判断された。1) (CTFA 1975) ■引用文献 1) J. Am. Coll. Toxciol. 1984: 3: 101-130 (link to the Journal) ■Abbreviation TOXNET DB; ChemIDplus DB in TOXNET, CCRIS;Chemical Carcinogenesis Research Information System , DART; Developmental Toxicology Literature |メニューへ| |
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